RADWIMPSとあいみょんが奏でる繊細な世界観

RADWIMPS【泣き出しそうだよ feat.あいみょん】 歌詞を独自解説!響き渡る想いの正体とはの画像

RADWIMPSあいみょんのコラボ曲『泣き出しそうだよ feat.あいみょん』。

RADWIMPSの『ANTI ANTI GENERATION』というアルバムに収録されています。

切なくて、美しい。

聴いていると無性に寂しくなるのに、なぜか何度も聴きたくなる。

そんな筆舌に尽くし難い感動を与えてくれる曲です。

胸を打たれるようなメロディーは、きっと一度聴いたら忘れられないはず。

思わず「泣き出しそうだよ」と言ってしまいたくなる歌詞にも注目です。

RADWIMPSあいみょんが奏でる繊細な世界観を堪能しましょう。

ブランコに乗って歌う2人

歌詞の解説の前に、MVをチェックしてみましょう。

RADWIMPSの野田洋次郎さんとあいみょんがブランコに乗って歌う、印象的な映像に仕上がっています。

このブランコの演出は、いったい何を意味しているのか?

MVに込められた想いに迫ります。

もどかしい距離感

向かい合ってブランコを漕ぐ野田さんとあいみょん。

2人の距離は近づくこともなければ、これ以上遠くなることもありません。

目に見える場所にいながら、決して手が届かない相手。

そんなもどかしい距離感をブランコで表現しているのではないでしょうか?

またブランコを漕ぐ2人の足元は、湖の水面のようになっているのが分かります。

この水はもしかしたら、2人が流した涙でできているのかも。

交わることのない相手を想って、流れ落ちていった涙。

ブランコから下りたら、きっと自分の涙に溺れてしまいます。

だから2人は不毛と分かりながらも、ブランコを漕ぐことをやめられないのでしょう。

近づけば遠ざかる2人の距離。

最後まで一定の距離を保ち続けるこのブランコの演出が、曲の切なさをより強いものにしています。

大切な人を失った悲しみ

MVに込められた想いが分かったところで、さっそく歌詞の解説にうつりましょう。

1番では別れた恋人への想いが、男性目線で歌われています。

恋人がそばにいたときと、別れた今では、世界が違って見える。

大切な人を失ってしまった悲しみが、深く胸に突き刺さります。

別れた今でも愛している

愛はまだ 君の横で 笑っているかい
君はまだ コーヒーも飲めないでいるかい
Oh baby 君の名前を間違えて呼びそうになるよ 今日も
違う誰かに

出典: 泣き出しそうだよ feat.あいみょん/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

冒頭の歌詞で「愛が笑う」という表現があります。

この意味は君にまだ愛情があるかということ。

つまり「今でも誰かを愛したり、誰かに愛されたりしていますか?」という問いかけなのだと思います。

自分と別れてしまったあとも、大切な君には愛と共に生きてほしい。

そんな願いも込められているのでしょう。

そして続く歌詞では「コーヒーも~」と歌われています。

前の歌詞と比べると、取るに足らない些細な問いかけ。

しかしこの曲の「僕」にとっては、とても大切なことのようです。

「僕」はコーヒが飲めない君のことを、可愛いと思っていたのかもしれませんね。

だから変わらずにいてほしい。そう思っているのでしょう。

以上のことからも分かる通り、「僕」は別れた今でも君のことを愛しています。

それはもう、君ではない誰かを君の名前で呼んでしまうほどに……。

きっと別れた今だからこそ、君のことで頭がいっぱいになってしまうのでしょう。

君を引きとめる勇気

Oh
雨に打たれりゃ流れちゃいそうな 僕のこの勇気に 泣き出しそうだよ
声が枯れるまで愛を叫ぶような 真似ができたなら楽だったのかな
昔好きだった歌が今は 悲しく聞こえてもう泣き出しそうだよ
そろそろ 眠らないと

出典: 泣き出しそうだよ feat.あいみょん/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

サビで出てくる「勇気」という言葉。

この「勇気」とは、何に対する「勇気」なのでしょうか?

それはきっと引きとめる「勇気」です。

本当は君に「別れたくない」と言って、泣いて縋りたい。

しかし「拒絶されたら?」という恐怖から、本当の気持ちを伝えられません。

そこには恐らくプライドもあるのでしょう。

みっともない姿を晒してでも、君を引きとめたい。

そんな想いが自分の中にあること。しかし、それは雨で流されそうなほどの「勇気」でしかないこと。

こういったことに「僕」は、「泣き出しそう」と歌っています。

大切な人を失ったせいで、今は好きな歌すら悲しく聞こえる。

「僕」は気持ちに整理をつけることができないまま、今夜も眠りにつきます。

未練ばかりが強くなる