冒頭と同じく、彼は相変わらず銀河を見つめています。

しかしじっと見ている「銀河」とは、単なる物事の事象だけではないようです。

銀河の中には「人」もいます。

好きな人が自分以外の別の人を見ているのは嫉妬しそうなものですが、それはない様子。

彼が他の人を見ているのは、人を見ることで何かを解き明かそうとしているからなのでしょう。

「私」はそれが分かっています。

何を見ているのかは分からなくても、彼にはその銀河を見つめていて欲しいのです。

そしてその銀河が曇らないよう、「私」は自分ができることをするのでしょう。

自分にできることとは

好きな人のためなら、どんなこともやってあげたいと思うのが女心でしょう。

ところがちょっとミステリアスな彼に、「私」はあまり入り込める余地がないようです。

きっと自分がしっかりしていて、自分の世界を持っている人なのでしょうね。

そんな彼のために、「私」はどうするのでしょうか。

せめて「あなた」の側に

今日という日にもし あなたが夢を失くしたなら
明日は別の夢が 放物線を 描いて来るわ
同じ痛みを 受け止めたいけど そんなことは望まない人ね
だからせめてそう 私は近くにいるわ はぐれないように

出典: 瞳の奥の銀河/作詞:Junya Maesako・RUSH EYE・Hitoshi Harukawa 作曲:小竹正人

人間生きていれば辛いことがあって、挫折してしまうときもあるでしょう。

しかし、挫折は挫折で終わりません。

また新たな夢と希望がやってきます。

「私」はそうやって落ち込む彼を慰めているのかもしれません。

一緒に悲しみたいのが本音でしょうが、彼は他人と悲しみを共有するのを嫌がる人のようです。

一人で抱え込んでしまうタイプなのでしょう。

「私」は無理強いせず、せめて彼を一人にしないようそばにいることにします。

それが「私」にできる唯一のこと。

相手の性格や志向を認めて尊重しているところに、「私」の優しさと愛を感じます。

あなたの銀河の中に

なかなか本当の自分を見せない彼。

「私」はそんな彼を尊重しつつ、内心はとても心配しています。

この想いと彼の見つめる「銀河」は、どうつながるのでしょうか。

ひとりじゃないよ

あなたひとりの 涙じゃないのよ
あなたと私 ふたりの涙なのよ もっともっと声を聞かせて

Good day, good night
Will you say yes to me

出典: 瞳の奥の銀河/作詞:Junya Maesako・RUSH EYE・Hitoshi Harukawa 作曲:小竹正人

先程も出たように、彼は何でも一人で抱えてしまうような人です。

一人で悲しみを背負ってしまうと、孤独になってしまう。

「私」はそこで「私もいるんだからね」と、一人ではないことを伝えています。

「声を聞かせて」は、辛かったら抱え込まないで話してほしいということなのでしょう。

最後の英文は「yesと言ってくれる?」ですが、話してほしいという願いへの答えなのかもしれません。

私を見て欲しい

私を見つめて
その銀河を泳ぎたい Stay In Your Eyes
誰を見ているの?
その瞳の奥にある銀河(ミルキーウェイ)
いつも輝くように Ah 守ってあげたい
ねえ…あなたを愛してる

出典: 瞳の奥の銀河/作詞:Junya Maesako・RUSH EYE・Hitoshi Harukawa 作曲:小竹正人

好きな人には、自分のことを見ていて欲しいものです。

彼の望むことを尊重したい一方で、「自分を見て欲しい」という本心も隠し切れません。

彼の見る「銀河」の中に、自分も飛び込みたいのでしょう。

時には他の誰でもない、「私」だけを見る時が欲しいわけですね。

彼に見てもらえている時、「私」は「銀河」の中で泳ぎます。

自分がいることで、果たして彼の見る「銀河」がより鮮やかで輝かしいものになるのでしょうか。

「私」が「あなた」の支えになっているのなら、そうなってくれそうです。

「あなた」が見ている「銀河」とは?