水曜日のカンパネラが送る新境地

【マトリョーシカ/水曜日のカンパネラ&Moodoïd】コムアイとMoodoïdが創る幻想的な世界!の画像

ニューアルバムに仕掛けられた問題作です

水曜日のカンパネラをご存知の音楽ファンは変わり者が好きな人でしょう。

トラディショナルなテーマにデジタルサウンドとラップを乗せたジャンル分け不能な3人組音楽ユニットです。

MVやインタビューといった表舞台に登場するのはボーカルのコムアイだけです。

しかもコムアイは主演と称しておりパフォーマンスを意識した活動をしています。

その水曜日のカンパネラが最新作「ガラパゴス」をリリースしました。

すでに発表したナンバーも含まれています。

その中で新しい試みとして注目されるのがフランス人アーティストとのコラボ「マトリョーシカ」です。

‎アルバム・2018年・8曲。 Apple Musicに登録すると利用できます。無料で体験する。

コムアイとパブロ・パドヴァーニのコラボ

日仏のバンドに相通じるものとは

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「マトリョーシカ」で水曜日のカンパネラと共演したパブロ・パドヴァーニはフランス人アーティストです。

パドヴァーニはまだ日本ではほとんどなじみがないでしょう。

その彼はMoodoïd(ムーンドイド)とメロディーズ・エコー・チャンバーという2つのバンドに関わっています。

メロディーズ・エコー・チャンバーは女性ボーカルのメロディ・プロシェットが中心のフレンチポップ・バンド

パドヴァーニはリード・ギターを弾いています。

一方のMoodoïdはパドヴァーニが率いる音楽プロジェクトです。

パドヴァーニはボーカルを担当しています。

両者に共通するのはフレンチポップスにサイケデリック・ミュージックなテイストを加えたサウンド

サイケデリック・ミュージックは1960年代後半に流行りました。

ビートルズやイギリスのプログレッシブロック・バンドを中心に流行した音楽スタイルです。

サイケデリック・ミュージックが隆盛だった当時に多くのMVが製作されました。

その中にはアーティスティックなアニメを使った映像もあります。

メロディーズ・エコー・チャンバーとMoodoïdにもアニメMVがあり、その影響がうかがえます。

偶然でしょうが水曜日のカンパネラのMVを観ていると、今回の共演が実現した理由が分かる気がします。

というのも水曜日のカンパネラとパドヴァーニの音楽性に相通じるものがあったからだと思います。

宇宙を象徴するマトリョーシカ

無限に続く命の輪廻転生を描いています

さて、問題のコラボ「マトリョーシカ」です。

ご存知の方もいるでしょうがマトリョーシカはロシアの民芸品です。

ダルマの様な形をした人形の胴体を上下に分けると中に一回り小さな同じ人形が入っています。

入れ子になっており、人形を開けるたびにより小さな同じ人形が幾つも入っている仕組みです。

曲のタイトルに「マトリョーシカ」を提案したのはパドヴァ―二です。

あとで紹介する歌詞からも分かるように彼の宇宙観を反映しているのでしょう。

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摩訶不思議なスローナンバー

日仏のサウンドが融合した異空間

「マトリョーシカ」はこれまでの水曜日のカンパネラのサウンドと一線を画しています。

またパドヴァーニが関わる2つのバンドとも違ったサウンドに仕上がっています。

デジタルサウンドがベースにあります。

しかし、2人のボーカルが掛け合い、ハーモニーが混ざり合った東洋的な匂いのするスローナンバーです。

だけど何か普通と違います。

キーが高いコムアイのボーカルは歌い方のためか、どこか中国風の香りがします。

それに対してパドヴァーニのボーカルはエロチックです。

まさに自分たちのやりたいように音楽を作りましたという感じです。

水曜日のカンパネラのファンにしてみれば、これまでとは異質なサウンドに戸惑うしかないでしょう。

でも、私はこういった聴き手に肩透かしをするアーティストが好きです。

だって、引き出しの多いアーティストほど次に何が出てくるか分からないワクワク感があって面白いですから

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日本語とお経とフランス語のコンプレックス

聴き手を幻惑させる歌詞に困惑