楽曲はストリングスやピアノなどのシックな音像が絡み合う複雑なアレンジの1曲。
その中で深みを持ったJUNNAの歌声がまさに表現の幅も自在といった印象で繰り広げられます。
歌いこなすにも難しいであろうこの曲でこれだけの歌を聴かせられるというのは、やはり只者ではありません。
妖艶な世界観を演じるJUNNA
MVの舞台はルーレットやビリヤード台などが並び、いかにもギャンブル場といった感じ。
中でもビリヤード台に寝そべるJUNNAの姿は妖艶で、楽曲、そしてアニメに準じた世界観を見事に演じていました。
本人が"狂った曲"と語っていることで、歌詞にどんなことが歌われているのかも気になってくるところ。
ここからはその内容を覗いていってみましょう!
全てを賭ける覚悟がある
望み通りに賭けてあげる
手加減はしない
スキ キライ スキ キライ
最初は誰?
出典: コノユビトマレ/作詞:尾上文 作曲:白戸佑輔
自分は持っているもの全てを賭ける覚悟があると言わんばかりの歌い出し。
そして誰か自分と同じぐらいの覚悟がある人間は居ないのかと言うような口ぶりで挑発しています。
「スキ キライ」という部分は花占いを意識したものでしょうか。
好きも嫌いも運次第という花占いも、思えばギャンブルに似た側面がありますね。
失うことよりも勝ち負けのスリルが欲しい
ほどほどじゃつまんない
全てか0か
スキ キライ スキ キライ
楽しみましょう
出典: コノユビトマレ/作詞:尾上文 作曲:白戸佑輔
もはや遊び程度のギャンブルでは面白くないという主人公。
大きな富を手に入れるのか、持っているもの全て失ってしまうのか。
それぐらいの勢いでないと楽しめないと口にします。
きっと主人公にとっては全てを失うことなどどうだっていいことなのでしょう。
それよりもとにかく勝ち負けのスリルを味わいたい。
そんな思惑が伝わってきます。狂ってますね~!
のめり込む方が 気持ちいい
素敵なスリルのストーリーを
生きる 生きる 生きる 生きる
出典: コノユビトマレ/作詞:尾上文 作曲:白戸佑輔
何かをやっているときに他のことが気になってしまっては、そのことの楽しさも半減してしまいます。
ギャンブルだって同じこと。
自分の身を案じてせこく賭けるよりも全てを賭けてしまった方が、余計なことを考えずにその場を存分に楽しむことが出来るということでしょう。
「生きる」ということは今を感じることに他なりません。
それを連呼しているところに、その刹那に快感を覚える主人公の様子がよく表されています。
今を愛しきること
明日が来なくなることはない
失うものは たかが知れてる
明日をなくしても未来が なくなるって訳じゃない
出典: コノユビトマレ/作詞:尾上文 作曲:白戸佑輔
主人公が失うことを恐れていないことはここまででも語られて来ました。
ここで意味深なのは「明日をなくしても未来はなくなるって訳じゃない」というフレーズ。
一見すると矛盾する言葉にも思えますが、ここでいう明日とは「予定されていた明日」のこと。
そして未来とは「予定されたことがなくなったとしても、訪れる明日」ではないでしょうか。
今日全てを失ってしまえば、その言葉の通り明日予定していたことは台無しになってしまうでしょう。
しかし予定していたことがなくなったからと言って、明日がやってこないなんてことはあり得ません。
今を何より重んじる主人公にとっては、不確定な予定などどうだっていいのです。
明日のことは明日考えればいい。彼女はきっとそういう考えの持ち主なのでしょう。