amazarashi「ヒーロー」とは?

amazarashiの『ヒーロー』の歌詞に込められた意味は?MVにも注目なドラマ主題歌!の画像

テレビ東京系ドラマ『銀と金』の主題歌として書き下ろされた楽曲で、2017年3月29日に発売されたamazarashiの1枚目のベストアルバム、『メッセージボトル』に初収録されました。

主題歌となったドラマ『銀と金』は福本伸行による漫画を原作としたドラマで、裏社会に生きる男達の駆け引きや死闘、池松壮亮さん、リリー・フランキーさんの迫真の演技でも話題になりました。

amazarashi「ヒーロー」のミュージックビデオがすごい!

YKBXこと横部正樹さんがディレクターを務めたMVは、これまでamazarashiが発表してきたアートワークやMVのワンシーンを総ざらいできるような映像となっています。

YKBXといえば、安室奈美恵さんのMVや、初音ミクとのコラボレーションでも話題になった、今最注目のクリエイターの一人です。

ぱっと見でも「多数決」のMVに出てきたあのキャラクターや、「季節は次々死んでいく」のアートワーク、「夏を待っていました」のワンシーンなど、今までの楽曲が次々と頭をよぎるようなMVですね。

ファンにはたまらないMVですし、まだあまりamazarashiのことを知らないという人も、一度見れば圧倒的な映像のかっこよさに魅了されてしまうのではないでしょうか。

このMVをきっかけに他の作品のMVも見たくなる人が多そうです。

amazarashi「ヒーロー」の歌詞の意味

いっそ世界の危機でも来てくれたらいいのに

食欲がないもんだからさ
別に小銭がないわけじゃないんだよ
君の横顔見ていると
そういうことを言いたくなるんだよ
もしも明日世界の危機が来て
僕が世界を救う役目だったら
頑張れるのにな
かっこいいのにな

なんて空想だ
なんて空想だ

出典: https://twitter.com/toki79280209/status/817755487546413056

食欲がないだけで小銭がないわけじゃないと言い訳をしたくなるのは、「僕」に「君」の前ではかっこつけたい気持ちがあるためでしょう。

しかし、「君の横顔見ていると」という歌詞から、いつも「僕」が見ているのは「君」の横顔で、「君」が「僕」のことを見つめてくれる機会さえあまりないことが窺えますね。

つまり、「僕」が好きな「君」は、「僕」には無関心で、そんな「君」に対してくだらない言い訳ばかり繰り返している「僕」は、「君」に振り向いてもらうために「明日世界の危機が来て」「僕が救う役目だったらいいのに」と考えているのです。

そんな「僕」にとって最大限のかっこいい姿を描いた空想は、実現するはずもないことくらい「僕」にもわかっているのでした。

世界を救って、君の腕の中で死ねたら

そしたら
僕の亡骸 君が抱いて 泣きながら
「やれば出来るんだね」って 呟いて

出典: https://twitter.com/smallbird666/status/845641220915314689

前の歌詞の空想の続きで、世界を救って倒れた「僕の亡骸」を抱いた「君」は「僕」を見直して、泣きながら「やれば出来るんだね」と呟くのです。

「僕」に無関心な「君」が流す涙が「僕」にとってどれだけ尊いものかはわかりますよね。

しかし、相変わらず、そんなことは夢のまた夢なのでした。

世界の危機はそうそうないけど、人生の危機は誰にでも訪れる

なんて言っても世界の危機なんて
そうそう来るもんじゃないんだけど
それなりの人生の危機ってやつは
僕なんかにも訪れるもんで

孤独になっても夢があれば
夢破れても元気があれば
元気がなくても生きていれば
「生きていなくても」
とかあいつらそろそろ言い出すぞ

出典: https://twitter.com/fang0045/status/899639139284406277

「君」から見直してもらうために「世界の危機」を望んでいた「僕」でしたが、「人生の危機」は誰にでも訪れるということを、自分の危機になって改めて知るのでした。

そんな危機になった時人々がいうことは、孤独になっても夢があれば生きていける。

夢破れても元気があれば再起できる。

元気が無くても生きていれば...と言い出すときりがなく、そしてついには「生きていなくても」などと言い出すのではないかと思う「僕」。

そこでやっと、ないものはなく、それを見つけない限り、その代わりになるものなんてないということに気づくのでした。

世界を救うヒーローになれないのなら、せめて自分の人生の危機では起死回生の一撃が出せるヒーローに