あいみょん「ひかりもの」

人はなぜ傷付くのでしょうか。

人はなぜ悩んでしまうのでしょうか。

心を不安で覆いつくすものは全て取っ払いたいと考えても、そういったものほど逃れられません。

今回解説していくのはあいみょん「ひかりもの」

あいみょん自身に傷付いた出来事があり、それがきっかけで「ひかりもの」は制作されました。

人とのつながりに苦しみ、心の傷に苛まれながらも、人とのつながりに救いを求めようとする主人公の物語。

心の内の葛藤が、赤裸々に綴られていきます。

唯一無二のバラード

「ひかりもの」は2ndアルバム『瞬間的シックスセンス』に収録されています。

叙情的なメロディにストリングを施した壮大なサウンドアレンジ。

そのサウンドとあいみょんの歌声が交わることで、一気に唯一無二の楽曲へと昇華させています。

「ひかりもの」とはあいみょん自身のこと

日常生活で聞くことは少ない「ひかりもの」というタイトル。

歌詞には一切登場していません。

このタイトルに込めた思いを、あいみょんはリリース時のインタビューで語っています。

あいみょんが、2月13日に2ndフルアルバム『瞬間的シックスセンス』をリリースした。今作は、あいみょんが世の中の注目を一斉に集めた2018年に制作された作品。楽曲提供も含め多忙な中で作られた楽曲は、一曲一曲が際立っていて、彼女の一瞬の閃き、その閃きをすくいとる感覚をより強くしたのかもしれない。昨年の『…(2/2)

「ひかりもの」は自分自身だと語るあいみょん。

あいみょんはインディーズを経て、2016年にメジャーデビューしました。

当時からすでに人気を博していた彼女だけに、今の自分を戒めるという意味で名付けられたようです。

「ひかりもの」の歌詞を解説!

だいたいのことでは傷ついてきた
恋仕事生活家族や
捨ててしまいたいと悩む事ばかりだよ
繋ぎ止めたいと思うものばかりなんだよ

出典: ひかりもの/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん

主人公の心情がひたすらに綴られていく歌詞

あいみょんが自分のことを歌っていると公言していることから、主人公はあいみょん本人だと捉えられるでしょう。

インタビューで、この歌詞実体験に基づいて書いたと語っていました。

華々しい活躍を見せる一方で、心の内では傷を抱え葛藤していたのです。

あいみょんの楽曲を聴く人は、老若男女問わずさまざま。

しかしこの歌詞のような経験は、誰もがあるのではないでしょうか。

生きていれば、何かしらの壁にぶつかることがあります。

全てが順風満帆とはいかず、ときに戦い、ときに傷付きながら毎日は過ぎていきます。

逃げることができれば楽なのに、そうはいかない場面もあるでしょう。

特に2行目で挙げられているような例えは、どれもが人生のおいて大切なことです。

恋に悩むということは、それほど相手のことを好きだという証のように。

その両面性に心は振り回されています。

誰かが側にいてくれたら優しくなれる

そりゃもっともっともっと
私の身体が
誰かにずっとぎゅっと
触れていたなら

出典: ひかりもの/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん

あいみょんはこの曲を作った当時、周囲に親しい人はいなかったと語っています。

昨年末には『NHK紅白歌合戦』に初出場し、「マリーゴールド」を熱唱したあいみょん。さらなる注目が集まる中、ニューアルバム『瞬間的シックスセンス』を発表する。直感を信じて駆け抜けた一年を振り返り、アルバムについて語ってもらった。

たとえば夢を追いかけて、家族の元を離れていったときのこと。

覚悟を決めていたはずなのに、どうしようもなく落ち込む日もあるでしょう。

今までは側にいた家族や友人に相談することできましたが、そうすることもできず。

自暴自棄にさえ、なってしまうかもしれません。

誰かが側にいて慰めてくれたならいいのに…。

孤独ゆえの不安に、心は苛まれていきます。

孤独を感じて初めて、人の温もりを知る