「ワルノリデキマッテル」のMVはとにかくノリがいい

漢a.k.a. GAMIがランドセルを背負う衝撃
小学校のチャイムが鳴り、校内はお昼タイム。
校内放送で流れるのは「ワルノリデキマッテル」のバックトラックです。
玄関口をスキップして軽快にやってきたのは、漢a.k.a. GAMI(以下、漢)。
なんと小学生用の黒ランドセルを肩に掛けています!
こんな強面の人が来たら生徒も逃げてしまうのでは?と思いきやさすがは漢。
校内では、生徒とハイタッチを交わすラッパー流の挨拶で掴みは上々です。
そんな漢がワルノリの相手として選んだのは、担任と思しき先生(実際は同じ事務所のラッパーMASTA)。
コップに注ぐふりをして油断させつつ、先生の頭に牛乳を浴びせかける場面は卑劣の一言。
悪魔的発想を生かした知能犯ぶりに、ファンとしてもたじたじとなりますが、これはまだ序の口なんです。
MVでは見ていた生徒達もワルノリし、お弁当の中身やレタスを投げつける学級崩壊状態になってしまいます。
止めるべき大人の漢が仕掛けてしまったものだから、みんな大興奮です。
先生の体を盾にして、自分の身を襲撃から守る漢の姿。
どこか憎めないですけど、抜け目のなさがズルいです。
地上波テレビで放映できない芸当のオンパレード
小学校の次の現場は床屋さん。
こちらのワルノリは髪を湿らせるスプレーを顔にかける、お客さんに対する嫌がらせからスタートします。
お客さんといっても、実際はこのMVのディレクターです。
身内に対しても容赦ない漢と体を張る彼をつなぐものは男の友情?でしょうか。
バリカンで中央部分だけを剃り、目も当てられぬ河童ヘアにしてしまいます。
その後も剃り続けて坊主ヘアにしたのは「外を歩けるヘアスタイルにしてやろう」という漢の優しさなのかもしれません。
パウダーを振りかけて真っ白の顔に仕上げる頃には、ディレクターはすっかり無気力の放心状態です。
小学校、床屋に続く最後のいたずらはラジオの収録現場が舞台となります。
ばれないように顔を隠して突入し、粘着テープでぐるぐる巻きにしたのは自らのレーベルの正社員。
拉致をして山中の開けた場所で正社員を下ろすと、ラッパーのKEN THE 390がリモコンを操作。
爆発させて火だるまにしてしまいます。
最後はあろうことか、そのKEN THE 390に漢が着火する展開に。
KEN THE 390に「熱いか?ケンちゃん」と聞くなどやりたい放題です。
大人の火遊びってこういうことなのか、と唖然とさせられるMV。
それにしても、リモコンを連打して爆発させる時、サングラス越しに嬉しそうな表情を見せる漢。
果てしなく怖いですね。
MVで伝えられる漢の想い
少年心の裏ににじむ代表者としての覚悟
MVを観て驚くのはなんと言ってもワルノリの極まり度です。
男友達が集まって悪巧みというのは、特別なことではありません。
しかし先生に食べ物を投げたり、人に火をつけたりという手法は表現としてはリスクがあります。
地上波の番組だったら、「子供に悪影響を与える」と、視聴者から非難や苦情が殺到するかもしれませんね。
それに比べると、MVはファンの人が自分の意思で観ることが多いため、表現の自由度は比較的高いです。
しかも今回は、レーベル代表であり発信元の責任者である漢自身が、音頭を取っています。
身内ワルノリはまだしも、若手イケメンのKEN THE 390に躊躇なく火を付けられるのは、後にも先にも漢以外いないような気が…。
なぜここまでリスクのある気合の入ったMVを作るかと考えると、やはり漢が代表者だからということでしょう。
代表者の仕事は、巷にはないような企画だったり発想で消費者に発信して注目を集め、利益を生み出すこと。
時にアバンギャルドに、遊び心を効かせながら失敗を恐れず、ファンを惹きつける。
このMVはレーベルの矢面に立つ漢の覚悟そのものかもしれませんね。
次は気になる歌詞をピックアップして紹介します!
「ワルノリデキマッテル」の歌詞はリアルな内情
リズム感よりもまずはワルノリ
俺たちのルールはまず縦ノリ横ノリよりも悪ノリで決まってる
アガるために必要不可欠な超役立つアイテムを調達
出典: ワルノリデキマッテル/作詞:漢a.k.a. GAMI 作曲:LORD 8ERZ
音楽をする上で欠かせない能力。
それはリズム感です。
ヒップホップは、バックトラックに合わせてリズミカルに言葉を紡いでいく作業。
色々なリズムパターンを題材に、お客さんをのせて楽しませます。
しかし漢によれば、ラッパーはリズムのノリよりも意識のノリが大前提なのだとか。
ラッパーのワルノリと聞くとなんだか嫌な予感がしてきます。
調達するアイテムの中身も反社会的なニオイが漂うのは、きっと気のせいではないです。