チャラン・ポ・ランタンとは
チャラン・ポ・ランタンは、歌のもも(妹)とアコーディオンの小春(姉)の、姉妹による音楽ユニットです。
シルク・ドゥ・ソレイユを観劇したことがきっかけで姉の小春がアコーディオンを始め、元々は他のバンドで活動していました。
歌詞のない曲を演奏するインストゥルメンタルバンドでしたが、初めて歌詞付きの曲「親知らずのタンゴ」ができたことから、妹のももをボーカルとして迎えます。
妹の歌をほとんど聞いたことがなく「暇そうだった」「身内で気軽に頼めた」という理由で誘ったそうですが、2009年7月に実家でチャラン・ポ・ランタンを結成。
それから間もなく元々いたバンドを解散し、姉妹での活動を開始しました。
大道芸人としても活動
小春と、チャラン・ポ・ランタン専属バックバンドのカンカンバルカンは、東京都公認大道芸人としても活動しています。
また、その経験はチャラン・ポ・ランタンの活動にも生かされていて、路上ライブなどのほか、落語の寄席や銭湯など、さまざまな場所でパフォーマンスを行っています。
チャラン・ポ・ランタンの世界観や曲調も、大道芸、サーカスなどに通ずるところがありますよね。
主題歌になった映画の原作は、伝説的な漫画「少女椿」
映画の原作になっているのは、紙芝居として演じられていた「少女椿」というお話を丸尾末広が漫画化した作品です。
終戦後に流行した「貧しい家の少女が苦労しながらも幸せになる」というストーリーがベースになっていて、紙芝居ではこのストーリー通り、両親とともに幸せに暮らすラストを迎えます。
しかし、漫画版では時代特有の陰気で寂しい雰囲気と、見世物小屋の妖しくアングラな世界観を際立たせ、後味が悪い作品でありながら熱狂的なファンを持つことでも知られています。
後にアニメ化されたこともありましたが、絶賛される一方で一部の国では上映禁止になるなど、独特のグロテスクな表現が多く実写映画化は不可能とまで言われていました。
映画「少女椿」のあらすじ
昭和のはじめ、母親の病死で孤児となったみどりは、赤猫サーカス団の団長に拾われます。
そのサーカス団は、怪力自慢、美少女と見紛う少年、蛇使い、両腕がなく足で芸をする足芸人など、個性の強すぎるメンバーばかりが揃っている見世物一座。
そこで下働きをしながら女優を目指すみどりでしたが、団員達にいじめられる辛い日々を送っていました。
ある日、ワンダー正光という不思議な奇術を使う男がサーカス団に加わり、連日サーカスは大盛況。
みどりは人気芸人であり振る舞いも紳士的なワンダー正光に惹かれていくのですが、ここから怒涛の展開に。
急遽サーカス団が解散し、団員は散り散りになって、みどりは女優になるチャンスを得るのですが…。
「あの子のジンタ」の歌詞の意味を紐解く
「あの子」の「ジンタ」、あの子は少女椿の主人公、みどりのことですよね。
それでは、ジンタとは何なのでしょうか。
ジンタとは?
元々は明治中期に誕生した民間オーケストラ、市中音楽隊の愛称のことです。
次第に宣伝や広告のために音楽を演奏するようになり、主にサーカスや映画館、街中で客寄せの演奏をする楽団を指すようになりました。
また、サーカスでお客さんを呼び込むときに流したり演奏したりする曲も「ジンタ」と呼ばれます。
どちらも演奏していた音楽の「ジンタッタ、ジンタッタ」というリズムの擬音からきているとされています。
「あの子のジンタ」にあてはめる場合、「みどりのサーカス楽団」ではなんとなく違和感がありますよね。
後述する「ジンタッタ」という歌詞やリズムも含めて、みどりがサーカスに立つ際の呼び込みの曲、「みどりの音楽」という感じでしょうか。
サーカス団らしい歌詞
寄ってらっしゃい見てらっしゃい
夢見た少女は花開く
出典: https://twitter.com/tuki_cos_tk/status/857637449073254400
最初から「寄ってらっしゃい見てらっしゃい」という、サーカス団らしいフレーズが使われています。
今から少女が舞台に立ち、立派にショーをやり遂げますよ、さぁご覧ください!という呼び込みの掛け声のようですよね。
これは実際にみどりが何かをするわけではなく、これから描かれるみどりの人生を見世物にしているとも考えられます。