昼にはきっときみと恋におちるはず
夜になるとふたりは別れるんだから
恋する乙女のようなこんな晴れた日は
きみをむかえに きみをむかえに行くよ
出典: 恋におちたら/作詞:曽我部恵一 作曲:曽我部恵一
いよいよクライマックスの歌詞になります。
リフレインになっているのがお分かりでしょう。
繰り返しになりますが最後ですから改めてご覧いただきたいです。
せっかく出会えた恋を刹那なものにしてしまうのがやはり謎でしょう。
しかし1995年にはこうした恋の描き方がたまらなく切なく思えました。
不思議なラインだなとは思うのですが、作詞作曲の曽我部恵一が願ったものです。
リスナーはその思いを受け止めることしかできません。
晴れた日の幸福のためにだけある恋の姿なのかもしれません。
曇天や雨天では決行されないような不思議な恋というものが描かれます。
改めて恋する乙女の心境になっているのは晴れの日そのものだという描き方に注目しましょう。
恋に恋しているのはぼくやきみだけではありません。
晴れわたる日そのものに恋する乙女の心境を曽我部恵一が発見したのです。
そうなると日が暮れて夜がくると終わりになるというこの恋の設定の謎も解けるでしょう。
日の光というものこそが恋をする主体であるならば日没とともに恋は終わります。
「恋におちたら」。
ここまで読み解いてゆくと曽我部恵一がどれほど規格外の才能を持った詩人なのか分かります。
もちろん「恋におちたら」の曲調そのものに私たちは恋をしていました。
ボーカルや3ピースバンドの演奏とコーラスでここまで豊かな音楽が生まれることに驚愕したのです。
サニーデイ・サービスの当時のライブには実際に彼らに恋した人びとであふれていました。
柔らかいサウンドが多い彼らですがライブではギター・バンドともいうべきロックさがあったのです。
いまも懐かしい時代へ引き戻されたような気分になりとても幸せになる不朽の名曲でしょう。
特に歌詞の裏側から透けたぼくの孤独というものにいたく共感したことを懐かしく思い出します。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
OTOKAKEとサニーデイ・サービスの軌跡
OTOKAKEにサニーデイ・サービスの関連記事があります。
その中でも再結成後に発表された作品をご紹介しましょう。
「セツナ」。
曽我部恵一固有の不思議な歌詞にアプローチしました。
MVも紹介しています。
ぜひご覧ください。
【セツナ/サニーデイ・サービス】不可解な歌詞にハマる人続出!意味を解釈。PV出演女優は廣田朋菜 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
1990年代から現在まで、他の誰にも真似できない楽曲と歌詞の世界観独自のスタイルを貫くサニーデイ・サービス。彼らが2016年8月にリリースした10thアルバム「Dance To You」から「セツナ」をご紹介します。文学的な歌詞と女優・廣田朋菜がひたすら踊るシュールなMVを知ったらあなたも「サニーデイ中毒」に!
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