そのブライアンの音楽に対する情熱を受け止める愛機がまた凄いのです。
彼はギターを自作しました。
100年前のものといわれている、暖炉の装飾に使われていた木材を切り出してネックを作ったのです。
ボディは合板と古いテーブルのオーク材、マホガニーの寄木細工を化粧板にしています。
長い間使われていたというのはエピソードとしても面白いのですが、これにもちゃんと理由がありました。
ギターなどの木製の楽器は、湿度による変形が大敵です。
長い時間をかけて乾燥させるシーズニングという工程を設けないメーカーはまずありません。
とても理にかなったチョイスといえるでしょう。
オークというその木材は、非常に硬いので加工は困難だったでしょう。
ギターの材質として使う場合には、メリハリの効いたパンチのある音が出せるそうです。
ピックアップも自作
エレキギターの音は、振動させた弦をマイクが電気信号に変えるところから始まります。
そのマイクをピックアップと呼びますが、これもブライアンの手によって生み出されました。
ピックアップには、コイルと磁石が必要です。
弦は金属でできており、磁場の中で振動することでコイルに電流が発生します。
電磁誘導という現象ですね。
このときの磁石の強さやコイルの巻き数が音の質に影響を与えます。
独自の音を出すために試行錯誤を繰り返しました。
しかも手巻きで2~300周は巻かなければいけません。
音に納得できなければ作り直し……。
正直、気が遠くなりそうです。
そのほかの金属部品でもブリッジなどは手作業で作っていますから、さらに大変な労力ですね。
このような大変な愛情を持ってギターを作り上げたブライアン。
我を忘れて没頭しなければこれだけのことはできないのではないでしょうか。
個性的なサウンドの秘密はこのギターにもあります。
摩訶不思議なサウンドの秘密
ブライアンは6ペンスコインをピックがわりに使っていたそうです。
本人使用のものは、記念硬貨なのでなかなか手に入りません。
しかし、普通に手に入る硬貨で真似した人は多かったのではないでしょうか。
正直かなり弾きにくいです。
そしてアンプは、ジョンが自作したディーキーアンプからのちにVox製のAC30を使用。
エフェクターも初期の頃はジョンが制作したトレブルブースターを使っていたようです。
ベースギター:ジョン•ディーコン
電気工学系出身
ブライアン使用のトレブルブースターとアンプを制作したジョン。
実は工学系の大学を首席で出ており、電気系に非常に強い人なのだそうです。
他のアーティストでもエフェクターを自作した話は聞きますが、アンプはこの人だけではないでしょうか。
ベースパートだけでなく、ギターサウンドもジョンが作った部分は大きいでしょう。
温厚な人柄
メンバーの中で一番若いこともあり、大人しく温厚な人柄がよく取り上げられています。
それによりバンド内のムードが一定に保たれたところもありました。
また、そのようなジョンの性格には音楽業界は居やすい場所ではなかったのかもしれません。
2000年前後に音楽業界から身を引いています。
それ以後は、ブライアンやロジャーがどんなに誘ってもイベントに参加したことはありません。
「フレディがいなければクイーンじゃない」
上記のような趣旨の発言をしているところから、一本気な性質がうかがえますね。
姿を見せないところは残念ですが、男らしく筋を通すところには惹かれるものがあります。
ドラム:ロジャー•テイラー
最初はギタープレイヤーだった
幼少の頃にウクレレをはじめ、ドラムの前はギター奏者だったというロジャー。
聖歌隊にいた経験もあるため、高音で歌うことができるのです。
実際にドラミングしながらの高音域のコーラスパートをこなしていたというから驚きです。
ソロ活動にも積極的
ソロ活動だけで8枚ものアルバムを制作しました(2018年12月現在)。
それ以外にもプロジェクトに参加したりするところから、社交的な人物像が浮かびます。
それでいてボーカル、ギター、ベース、キーボードも演奏できるマルチプレイヤー。
周りから自然と声がかかるのも納得できますね。