「Remedy」の収録アルバム
『NEWS』(2013)
NEWSとしては5作目、メンバーが4人となった新生NEWSとしてははじめてのアルバムです。
そういう意味では、メンバーにとってもファンにとっても意味のある1枚だといえるでしょう。
「チャンカパーナ」や「フルスイング」といった、NEWSを代表する曲が多数収録されています。
そのほか、語感がかわいい「ポコポンペコーリャ」や、夏の爽やかソング「渚のお姉サマー」もおすすめ!
今回紹介する「Remedy」は増田貴久のソロ曲で、このアルバムの初回盤Bに収録されています。
オトナな表情にドキドキ?!歌詞の内容を解説
「Remedy」=治療薬
歌詞の解説に入る前に、まずはタイトルの意味について説明しておきましょう。
「Remedy」というのは、「治療」、「療法」をあらわす英単語です。
ここから転じて、「救済」や「矯正」といった意味も持っています。
この曲では「毒」や「媚薬」という単語も出てくることから、「治療薬」とでも訳すのが適切なところでしょう。
では、「治療薬」とは一体何なのか…。
曲の内容、雰囲気が想像しづらいタイトルです。
でも、だからこそ好奇心をくすぐられ、聴きたくなってしまいますよね…!
それでは早速、歌詞の解説に移っていきましょう。
ウイルスでもあり治療薬でもある「君」
Fly in me Remedy
一口で支配する 君は甘い Virus
痛いほど 癒しを与えて Remedy
出典: Remedy/作詞:Ryohei Yamamoto 作曲:Ryohei Yamamoto
「Fly」は「飛ぶ」以外にも、「飛び散る」という意味があります。
それを踏まえて意訳すると、1行目は「治療薬よ、僕の中に行き渡れ」という感じです。
ここでいう「治療薬」というのは何のことなのか?
この疑問に対する答えは、2行目と3行目で明らかになります。
2行目の歌詞は、“君”の存在を“ウイルス(Virus)”としています。
しかし、3行目の“与えて”という言葉につづくのは、呼びかけるような“Remedy”。
ここから、“君”はウイルスでありながら、歌い手にとっては「治療薬」となりうる存在であることがわかります。
彼女の毒に夢中
I’m sick but I’m not ILL 月灯り着る
君の vision に毒されて I’m KILLED
派手な口づけ ひと目釘付け
体を巡り記憶に寄生
出典: Remedy/作詞:Ryohei Yamamoto 作曲:Ryohei Yamamoto
ここで出てくる「sick」と「ill」はどちらも「病気」をしめす英単語ですが、微妙にニュアンスの違いがあります。
それぞれの「病気」以外の意味をチェックしてみるとわかりやすいかもしれません。
sick=取り乱して、恋しくて、待ちこがれて
ill=不幸な、堕落した
また、sickよりillの方が重症度の高い状態をしめします。
すると、引用1行目の英文は「僕はおかしくなってるけど、病気ってわけじゃない」というような意味にとれます。
そしてこの「おかしく」なっている状態は、“君”のせいで引き起こされたものです。
月の下の美しい“君”に魅せられた歌い手は、その記憶にとりつかれてしまうのです。
恋という病
胸に渦巻く この想いつかみ出せば
病名は “I LOVE YOU” 心地よい媚薬
Remedy
出典: Remedy/作詞:Ryohei Yamamoto 作曲:Ryohei Yamamoto
この部分でははっきりと、「おかしくなっている状態=恋」だとされています。
ドラマや小説、漫画などでも、「恋の病」という表現はよく出てきますよね。
つまり歌い手は、恋という、“君”という薬でしか癒せない不治の病にかかってしまったわけです。
しかしこの病気は彼に対して、苦しみだけでなく、一種の喜びも与えます。
だからこそ、“媚薬”というような表現もされているのです。