「RADWIMPS 3〜無人島に持っていき忘れた一枚〜」収録曲
タイアップやシングルカット曲でもない「トレモロ」。
ファンの間では、認知度が高い曲のひとつとして高い評価を得ています。
「前前前世」や「愛にできることはまだあるかい」とともに長く広く愛されている楽曲です。
リスナーを惹きつけて止まない理由のひとつはその壮大な歌詞にもあります。
聴くたびに違う景色が見えてくるのです。
そしてまた、そんな違った景色を見てみたくて繰り返し聴いてしまう。
中毒性とは違う、曲に対する探究心を掻き立てられる曲なのです。
歌詞を独自に徹底解釈します。
悲しみも、もどかしさも
夜明けが来れば
満天の空に君の声が響いてもいいような綺麗な夜
悲しみが悲しみで終わらぬよう せめて地球は回ってみせた
出典: トレモロ/作詞:野田 洋次郎 作曲:野田 洋次郎
どんなに深い悲しみに打ちひしがれても、地球のリズムは止まることなく動いているのです。
今は諦めそうでも、心が折れそうでも、明日はやってくる。
夜が明ければもしかしたら、そこから始まりが待っているかもしれません。
心がどんなに乱れた鼓動を打っていても、地球は変わらないリズムを刻んでいます。
永遠に変わることのない地球のリズム。
それは永遠に続くトレモロのように変わらないテンポで打たれています。
それはどんな人の生きるスピードも受け入れてくれる優しい地球の鼓動なのです。
気持ちを隠すように
本当に伝えたい想いだけはうまく伝わらないようにできてた
そのもどかしさに抱かれぬよう せめて僕は笑ってみせた
出典: トレモロ/作詞:野田 洋次郎 作曲:野田 洋次郎
心から伝えたいことほど、言葉を選んでしまったり伝え方をあれこれと考えてしまいます。
考えすぎて、全く伝わらないということも。
上手に気持ちを伝えられない自分が情けなくて、恥ずかしくて。
そして、伝わらないことがもどかしくてじれったく思っているのでしょう。
笑顔でごまかして隠したいのは、伝えようとした自分と、伝えられなかった自分です。
そんな自分をとりあえず笑ってやりすごしてしまえと、作り笑いをしたのでしょうか。
存在すること生きること
君の望むこと
「何もないんだってここには」って笑ってる君も望んでる
そんな声もかき消すほどに 膨れるこの万象を
出典: トレモロ/作詞:野田 洋次郎 作曲:野田 洋次郎
どんなに物がたくさんあっても、満たされないのです。
地位や名誉があったって、中身が空っぽだったら何もないのと同じです。
大切なのは、目に見えるものではないのです。
むしろ、目に見えているものなんて、何の意味もない「ただの物」。
自分たちの生きる世界には、もう意味のあるものなんてないと言っています。
だから、もう希望も持たなくっていいんだって。
そうも言っているのでしょうか。
しかし、そんな世界でももしかしたら意味があるものがひとつでもあるかもしれない。
生きる意味を見いだせる形あるものがこの世界のどこかにあってほしいと本当は願っているのです。
僕の望むこと
「意味はないんだって僕には」 って叫んでる僕も望んでる
無味を悟る その先に浮かぶ光の粒を
出典: トレモロ/作詞:野田 洋次郎 作曲:野田 洋次郎