50年過ぎても泣ける歌
代表曲のリリースに秘密が?
千昌夫さんの代表曲『星影のワルツ』。星影ってなんだかロマンを感じる言葉ですね。
星の影ってプラネタリウムで見る映像が浮かびますが、影は古典的解釈で“光”を意味します。
星が光る空を見ながら歌った歌、当初のリリースはこんな形でした。
「星影のワルツ」(ほしかげのワルツ)は、1966年3月24日に太平音響(現・徳間ジャパンコミュニケーションズ)から発売された千昌夫の6枚目のシングル。当初のA面曲は「君ひとり」であった。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/星影のワルツ
約52年前にリリースした当初『星影のワルツ』は、カップリング曲あつかい。
両A面なんて言葉も無い時代なので、完全に地味な存在でした。
レコード盤全盛の時代ですから、当時はこれがフツーのリリース方法。
でも次第にB面に収録された『星影のワルツ』に注目が集まり始めます。
昭和の失恋ソング
1966年の発売当初は売れ行きは低調であったが、1967年頃から各地の有線放送で火がつきはじめた。累計売上は250万枚。アレンジを変更して再録音したものが1968年3月に再発売されている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/星影のワルツ
切ない歌のカギとなる言葉
仕方ないなんて、恋には似合わない?
別れることは つらいけど
仕方がないんだ 君のため
出典: 星影のワルツ/作詞:白鳥園枝 作曲:遠藤実
現状を受け入れざるを得ない自分を慰めるような、ゆっくりとしたワルツのリズム。
そしてつらいけれど別れを決めたことに『仕方がない』というワードをプラスしました。
普段でも口にすることがある、仕方がないや仕方ない。
心象を探るために、ここでは『仕方がない』を辞書的解釈してみました。
仕方がない(しかたがない)は、理不尽な困難や悲劇に見舞われたり、避けられない事態に直面したりしたさいに、粛々とその状況を受け入れながら発する日本語の慣用句。ほぼ同義の表現として、止むを得ない(やむをえない)などがある。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/仕方がない
悲しいことや苦しいことに出会った時に、周りから言われる慰めのような『仕方がない』。
自分に起こった苦しい胸の内をどうすることもできなくて、自分に言い聞かせる『仕方がない』。
こうしてみると、どうしようもない気持ちを表す便利な言葉にも見えてきます。
でも仕方がないから、恋が終わってしまうのは簡単に納得できません。
大人の事情・諸般の事情は、他に方法が無いからすべて飲み込むしかないのでしょうか。
できることはすべてやったけれど、別れることになってしまった。
君のことを思いながら二人はもう会わないことを、選択。
別れを決めた今、一番悲しいのは君と気が付いて辛さが募るばかりです。
歌うことしか思いつかない
空には星が
別れに星影のワルツを うたおう……
出典: 星影のワルツ/作詞:白鳥園枝 作曲:遠藤実
君に聞こえるように、星に向かって歌います。何度も話して何度も泣いた二人。
こんなに悲しんだ二人なら許してもらえると、微かな希望を抱いたかもしれません。
二人だけでいる空間に、悲しい結末なんて言葉は無かったはず。
それでも別れを告げることになってしまった。
今はこの気持ちを伝えるために歌います。歌うしかない…、一人で歌うしかないんです。