ここの歌詞からは、2人の関係性が曖昧であることが確認できます。
あなたは私の特徴について何一つ言及したり記憶したりしてくれないのです。
さらにここまで2人でいた時間もありながら、まだ呼び名は苗字。
押しては返す波のようで、1つになってまた別々になる雲のような2人の恋心を映し出しています。
もう戻ることは出来ないあの日
そっと差し出してくれた
君の変なセンス全開の傘の中も悪くは無いなって
もう思う事さえ出来なくなったって
だれのせいよ
出典: やっぱり雨は降るんだね/作詞:ぷす 作曲:ぷす
だからといって2人は決して遠い距離ではありません。
その曖昧な恋心が寄りかけて、良い雰囲気になった頃の思い出が描かれています。
雨の中、ふたりで1つの傘を差しながら歩いた日もあったのです。
しかし、そんなときめく瞬間はもう2度と主人公の前に訪れることはありません。
降りしきる感情の雨
心に降り出した雨
だけど やっぱり雨は降るんだね
とっくに打たれ慣れたって
強がりさえ届かないんだって
分かってるんだよ そんなの全部
今すぐ流れてしまうように 祈るだけ
出典: やっぱり雨は降るんだね/作詞:ぷす 作曲:ぷす
サビで何度も登場する「雨」は、まさに自身の心情を表しています。
叶わない恋、あなたへの想いが飽和するばかりの自分に涙する。
「何度だって悲しみの雨に打たれてきた」という自己憐憫は誰の耳にも入ることはありません。
ただ濁流のように心を痛みつける憂いの数々からの解放を願っている姿が映し出されています。
あなたを想って巡る感情
やっぱり雨は降るんだね
そうだ 君の声なんて掻き消して
このままずぶ濡れ
お日様が愛おしくて
またね またねって笑うように
しゃがみ込んでしまった
出典: やっぱり雨は降るんだね/作詞:ぷす 作曲:ぷす
もうあなたと一緒になることは出来ないのです。
だったらこのまま、あなたとの思い出も流して終わらせてやりたいと思っています。
そんな心情の中、あなたとすれ違った時に発した言葉は「またね」の一言。
「また」なんてもう来ないのに、終わらすことが怖くて出した再会を願う言葉です。
そうして放った3文字の裏には崩れてすすり泣く主人公の姿があったのです。
あなたを中心に、自分の揺れ動く感情に振り回され続ける主人公。
この先の2人の関係性はどのように移り変わっていくのでしょうか。
変わることのない未来を憂う
無駄な思考ばかり
今日の天気は晴れだって?
疑って待って傘を持った
トートバッグ リュックサック
ほら荷物がもう煩わしいね
出典: やっぱり雨は降るんだね/作詞:ぷす 作曲:ぷす
わざわざ傘を持って出かける主人公の姿が映し出されています。
これは、先ほどの1番の2人で傘を差していた日を想像すればその想いが分かります。
心の隅で常にあなたとの進展を望み続けているのです。
歌詞3.4行目で述べられている物理的なかさばりは、まさに主人公の心情の比喩。
ただ学校へいって帰ってくるだけなのに、心はあれこれと無駄な想いを巡らせます。
一方で、それに気づいている自分もいて、無駄なことをしている自分に疲弊しています。