RADWIMPS×Takaの化学反応に注目

RADWIMPS【IKIJIBIKI feat.Taka】歌詞の意味を徹底解説!明日が怖いのは何故?の画像

2018年に発表されたRADWIMPSのメジャー7thアルバム「ANTI ANTI GENERATION」

17曲収録の大作にはシングル曲のみならず有名アーティストとの意欲的なコラボ作品も収められています。

その中でも話題となったのが今回ご紹介する【IKIJIBIKI feat.Taka】

先行配信リリースされ、待望のコラボに世間の注目が集まりました。

エッジのきいたギターサウンドに野田洋次郎とTakaのボーカルの対比が映えるロックナンバー

衝動的な痛快さを感じる楽曲を支える山口智史のドラムを耳にすることもできる楽曲です。

その歌詞ではなにが描かれていくのでしょうか。

二人の歌声で構成される【IKIJIBIKI feat.Taka】の歌詞の意味を解釈していきます。

かみ合わない「現実ごっこ」

組み込まれた競争の中で

RADWIMPS【IKIJIBIKI feat.Taka】歌詞の意味を徹底解説!明日が怖いのは何故?の画像

君とのあの戦争が 僕の六感に合図して
鈍い夢見させた

真実との競争です 追い越しは右レーンから
そんな悠長言ってられ られ られ られないのです

出典: IKIJIBIKI feat.Taka/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

キャッチーに並ぶ言葉、そこから窺えるのは主人公が置かれている緊迫した状況です。

どうやら社会のルールにのっとってはいられない様子。

軽く受け流すような印象を受ける一方で焦燥感も覚えます。

その理由は“君”との“戦争”にあるのでしょうか。

おそらく彼の中で眠っていた感覚が刺激され、呼び起こされたのでしょう。

“鈍い夢”という表現からはどんよりとした重さも感じられます。

その“夢”の中で見たのは単なる悪夢ではなく、リアルな現実かもしれません。

なんとなく生きているだけなら気付かないもの、見えないものもたくさんあるでしょう。

しかしそれを目にして現実を突き付けられた今。

主人公は現実での競争に組み込まれてしまうのです。

この世の勝ち負け

「あぁなったらお終いさ」 失敗例両手 (ん) 列挙して
勝ち誇った嬢ちゃんたちよ ヨイ ヨイ ヨイ

負けないで勝った気万歳 でっかちな正論は犯罪
履きちがえた『場違いと天才』 飛び跳ねる

出典: IKIJIBIKI feat.Taka/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

粋な余裕さえも感じられる合いの手とは裏腹な“お終い”というフレーズ。

“失敗”は誰でもするものですが両手に収まらないほど抱えている様は他人から見れば負けも同然に映るでしょう。

さきほどの“戦争”とは女性との恋愛を指しているのでしょうか。

自分は恋愛という勝負に挑むこともなく“失敗”した主人公を負け認定してあざ笑う女性が描かれているようです。

勝負しなければ負けることも当然ありません。

例えそれが本当の意味での勝ちでなかったとしても「負けていない」という事実のほうが価値観として重要なのでしょう。

そんな世の中にはルールや“正論”は不要。

“勘違い”すら正義になってしまうのです。

ちぐはぐな恋愛

RADWIMPS【IKIJIBIKI feat.Taka】歌詞の意味を徹底解説!明日が怖いのは何故?の画像

とっ散らかった 僕の恋と
あっぱらぱーの 君の前戯と
ほったらかっしの 現実ごっこで
「エイ、ヤ、ソ」

出典: IKIJIBIKI feat.Taka/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

そんなちぐはぐな恋愛模様

特に正解のない恋愛ならなおさらでしょう。

主人公の“恋”はかみ合うことがないようですが、これは“現実ごっこ”の一部

無意味な競争も、その中で決められた勝ち負けもお遊びのようなものかもしれません。

そう捉えれば軽い掛け声ひとつで乗り越えられそうにも思えます。

しかしそれだけでうまくいかないのが本当の“現実”ではないでしょうか。

明日が怖い?

見えないよ 明日が怖いから
宿題まだ 終わってないから

頑張っても頑張っても 頑張ってもわかんない
踏ん張ったってなんだってんだ 世界はビクともしないじゃんか

出典: IKIJIBIKI feat.Taka/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

人は自分が知らないもの、未知の領域に対して恐怖心を感じます。

それは自分が経験したことがないものに対しても同じでしょう。

身近な“明日”という存在すらときには“怖い”と感じてしまうものです。

まるで夏休みの最終日に手の付けていない“宿題”を焦って片づけているような感覚も覚えます。

目の前に山積みになった“宿題”という現実

これをどう乗り切って“明日”を迎えるのか。

むしろ乗り越えられて“明日”を迎えることができるのだろうか。

やるしかないことはわかっていても“明日”がどうなっているのか、今はその目で確認できません。

目前に迫った焦りと恐怖心を抱えてとりあえず頑張っていくしかないのです。

ここでいう“宿題”とは人生の課題を示しているのかもしれません。

次から次へとこなさなければならない課題は積もり積もっていき、どうにかしようと思っても結局わからずじまい。

答えなどそう簡単に見つかりません。

いくら足掻いたところで世間はなにも変わらないと感じることも少なくないでしょう。

実際、自分の起こした行動ですぐになにかが激変することなど滅多にないことです。

もっとわかりやすい成果を欲してもそれは目に見えないもの。

“宿題”の答えも簡単には見つからないのです。

結局なにも変化も成長も実感できないまま、毎日をこなしていくしかありません。

現実で生き抜くために