「流行に乗るもんか」「理解されてたまるもんか」という、ちょっぴり嘲笑も感じさせるフレーズ。
カタカナの語尾に皮肉感がたっぷり出ていて良いですねえ。本来漢字で表記するところをカタカナ表記にすると、漢字のもつ風格というのが崩れてちょっとバカにした感じになるのと同じ効果がみられます。
ギリギリ崖の上を行くように
フラフラしたっていいじゃないかよ
それでも前に行くしかないんだから
大丈夫 僕の場合は
出典: https://twitter.com/conan_kasi/status/917693862885257221
誰かが決めた流行なんかにとらわれないで、自分で判断して前進するという意志のことを言っていますね。
大部分の人が避ける崖っぷちでも自分が行こうと決めたら行けばいいし、他の人が進む安全地帯でも自分がおかしいと思うのであれば避ければいい。誰にもとらわれず自分の判断で進む。実にシンプルで合理的です。
別に無鉄砲なんかじゃないんだよ
アタマもそこそこ使ってる
出典: https://twitter.com/bz17lyrics/status/919058387970617344
何も考えずに崖っぷちギリギリを歩いているわけではない。考えてから出発したし、歩いている今もちゃんと思考している。
危険で大変なのはわかっているけど、どこまで行けるか自分の可能性に賭けたい。何も考えずにしんどい道を選んだわけじゃないんだ、ということですね。
ギリギリを楽しめなきゃまずいんじゃないの?
たまに苦しくて痛いのが
気持ちよかったりなんかしたりして
出典: https://twitter.com/KI_TAK_lyric/status/531063256106819585
痛みというものはマイナスの面ばかりではなく、時には「生きている」という実感を持つことができるファクターでもあります。
人間は危険が迫らないと覚醒しないものです。そしてそうやって覚醒したときにこそ死と隣り合わせの生を感じるのです。
あとある種のマゾヒズムですね。自分がいちばん苦しいんだという顔をして悲劇のヒロインを演じる人は、実は痛みが快感だったりするのでは?
ギリギリの感じなんだよ好きなのは
なまぬるい温泉はまだちょっとでいい
きわどい快感に冒されて
楽しめなきゃまずいんじゃないの…!
出典: https://twitter.com/KI_TAK_lyric/status/531063256106819585
ノーリスクで穏やか、痛みも苦しみも感じずに死んだように生きるよりは、あらゆることに追い詰められてキリリと引き締まった瞬間を楽しみたい、と。
「なまぬるい温泉」はリラックスできますし気持ちいいものです。ただ生きている実感というよりは、羽を休める行為です。あつ湯に浸かれば身体の細胞が覚醒しパワーアップします。
神経を休ませる楽しさと、神経を奮い立たせる楽しさ、さてどちらがよりワクワクするでしょうか。
うかれっぱなしとはまたちょいと違う
シマリがないとまたみんなにコソコソ笑われるぞオマエ
出典: https://twitter.com/Lyrics_from_Bz/status/775322932369240071
タイトルの意味は○○
稲葉さんの歌詞の作り方には2パターンあるといえます。1つは歌詞の意味をじっくり考えて作る方法、もう1つは音の響きでワードを選ぶ方法です。後者は「Urtra Soul」や「衝動」といった曲に特色があらわれています。
この「ギリギリchop」は、タイトルに関しては後者ですね。つまり、「ギリギリchop」のタイトルの意味は「ない」が正解です。
B'zはアーティスト側であり、問題を提起するのが責務。あとはあれこれ想像をめぐらせて問題を解決しようとするのが、わたしたちリスナーのミッション。裁判所が問題提起をし、陪審員が問題解決するのと同じ構図です。
ハッキリ全てつぶさに述べてしまうアーティストや「具体性がなくて抽象的すぎ」と批判するリスナーは、この構造をはき違えたり混同してしまったりしています。
「ギリギリchop」に「意味はない」と稲葉さんもハッキリおっしゃっていましたが、それこそが創作物の本質であります。わからない部分があるから面白い。
「ギリギリchop」まとめ
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