演歌の世界
男の世界を歌う
2017年に発売された「男の流儀」。
そのタイトルの通り男が男であるための流儀が、切々と歌われています。
演歌部門のシングルチャートでは1位も獲得し、紅白歌合戦でも歌われました。
ちょっと古いタイプの日本男児を思わせる歌詞を、若手演歌歌手が歌う。
そんなギャップもこの歌の魅力の一つです。
流儀とは
この歌のタイトルである「流儀」という言葉。
この言葉にはどんな意味があるのでしょうか。
守るべきこと
「流儀」という言葉は、物事を執り行うときのやり方を指します。
伝統的に継承されている方法を言うことも。
単なる手順というよりは、心の持ちようや、何かしらに基づいたやり方というイメージでしょうか。
「男の流儀」というのなら、男としてこうありたいという考えに基づいた行動。
男はこうあるべきという理想あってのやり方を指すでしょう。
男に生まれたからには守りたい、男としての生き方。
その世界を覗いていきましょう。
男らしさ
歌の世界、特に演歌の世界では「男らしさ」「女らしさ」がよくテーマになります。
「男は人前で泣いてはいけない。」
「女性は弱いから守らなければならない。」
など。
それは、現代に言われる男女差別ではなく、性差としての魅力や得手不得手の違いについてを指します。
持って生まれた性別の個性をしっかり活かすこと。
それが「男らしさ」であり「女らしさ」なのかもしれません。
男女の性差の溝が小さくなりつつある今。
男だから、女だからという考え自体は小さくなっているかもしれません。
弱いものが強いものに憧れ、強いものは弱いものを守るという構図は変わっていないのではないでしょうか。
お酒を楽しむ流儀
酒は手酌の 日暮れ酒
店は古びた 縄のれん
隣の客に 相槌を
静かに徳利 二本飲む
涙や嘆きは 酒の邪魔
野暮は嫌いだ ぐいと飲め
出典: 男の流儀/作詞:石原信一 作曲:中村典正
お酒を楽しむにも流儀アリ。
男のお酒のたしなみ方とはどんなものなのでしょうか。
粋にいこうぜ
自分のお金で飲むお酒。誰に遠慮が必要か。
なんていうのは野暮の言うこと。
男の流儀を心得た、男らしい男は自分のお酒も粋に楽しみます。
スマートな男性というのは、人より目立つわけでなく。
かといって、どこにいるのかわからない、というタイプでもありません。
ひっそりと気配を消しながら、自分好みのお酒をゆっくりと味わう。
他人に迷惑をかけない、不快な思いをさせないというのは最低限のルール。
男の流儀においては、自分のスタンスを守りながら相手の領域にも踏み込まないのがセオリーです。