だから僕たちは行く。止まらずに進むんだと歌詞は続きます。
今はまだ頼りなく、大きく無いかもしれないけど、答えだって何もみつからないけど僕たちは歌い続ける。
夜は長いんだから、夢は覚めずに見続けられる。
夢が正夢になる日だって、そんな朝だってきっとが来るはずなんだ、と。
心地よい朝日が指し込むような晴れやかなエンディング
飛べない鳥と立てない僕が
悪口ばっか しょうがない しょうもない
はいあきらめなさい
もうなんにも失いたくはないけれど
なにができるかな
あのときの景色が
いまでも僕の身体を
離れないから
超えて行く
かっこ悪い僕の心いつか認めてさ
無い物ねだりでも
孤独が運命なんて言葉虚しいな
そう思わない?
出典: Nothing./作詞:モモコグミカンパニー 作曲:松隈ケンタ
「孤独が運命なんて言葉虚しいな。そう思わない?」と終わらせたのは茶目っ気でしょう。
しかしモモコが気持ちを覆う暗雲を振り払い、リスタートの決意をしたのが伝わってきます。
いつまでもBiSにこだわってなんていられない。
最後のステージはすごかったし脳裏からも離れないけど、それを超えて行くんだと宣言しているのです。
その名のとおり「Brand-new」となるBiSH。
ますます目が離せませんね。楽器を持たないパンクバンドは、荒々しく牙を剝き続けます。
孤独が運命なんて言葉虚しいな。そう思わない?
そう、清掃員とともにこれからも、激しく未知への道を走り続けるのです。
PVは清掃員必見のドキュメンタリー
新生BiSHはこうなんだよ!
アユニは2016年に加入したメンバーです。
そんなアユニのコールから始まるPVは、新たなパーツが加わった、新生BiSHのリスタートの宣言だともいえます。
続いて映像は盛り上がるライブシーンと、そのリハーサルの模様へと続きます。
そしてアユニのオーディション映像。
ここでも新生BiSHがこの曲に込めた想いが、ここから始まるんだぞというメッセージが伝わってくるかのようです。
迫力の幕張メッセ。そして舞台裏
シーンは移って幕張メッセの開演前、続いてライブでの熱唱と胸が高鳴ります。
舞台セッティングを見守るメンバーの表情がキラキラしていて、大一番を前にした期待と緊張が伝わってきます。
こうして詩だけでなく映像で素の自分たちの姿を見せてくれるから、等身大の彼女たちに感情移入できますね。
次はもっとでっかいところでやろう!
そう叫ぶジュンジュンがクローズアップされてPVは終ります。
小さな箱(ステージ)から始まったBiSHが、幕張という、こんなにも大きな箱に辿りついたのです。
それはBiSの最後である横浜アリーナにも劣らない、BiSHのひとつの到達点ともいえるライブでした。
だからこその涙。だからこそ迫力を増すアイナのハスキーボイス。
このPVで高らかにBiSHは、ここからがスタート、まだまだ夢に向かって走り続けるよと宣言したのです。
もはやBiSの後継ユニットではない、オリジナルな存在となったBiSH。
あのときの景色と綴った「Nothing.」の一節は幕張メッセでしょうか。
それともBiSの横浜アリーナなのでしょうか。
しかしどちらであってもBiSHは、それらを乗り超えて前に進みます。
そしてその先にある夢が何なのか、一緒に走っていきたいと思わせてくれるのです。
「Nothing.」に込められた想いはもっと深い
解散したBiSや脱退した元メンバー、合宿のオーケストラを失い新たに得た新メンバーのアユニという経過。
それがあるから「もう何も失いたくはない」と歌い出す「Nothing.」は共感する歌詞になっています。
しかしこの曲が聴くものの心に響くのは、BiSHの成り立ちと重なるからだけではありません。
もっと身近なものなのです。誰もの身の上にある不安や恐れ、そして希望を映し出しているのです。
だから「私も頑張ろう」と、そんな前向きな気持ちを呼び起こしてもらえます。
本当の自分はこんなじゃない。そうだよね?
家庭環境や誰かと比較されることへの反発など、自分がやりたいこととのギャップに悩む人は多いと思います。
でもそこで立ち止まっちゃだめだ。
飛べない理由を他人のせいにしていては、その苦境から逃れることはできないと「Nothing.」は言っています。
だから乗り越えていくんだ。
BiSとの比較やその存在との違いを克服し、オリジナルなBiSHであろうと「Nothing.」は綴ります。
今の自分は本当の自分じゃない。
たとえカッコ悪くても、目標に到達できなたったとしても、歩き続ける姿こそが自分なんだ。
だから僕はあきらめない。カッコ悪い今の自分を認めて、それを乗り越えてみせるんだ。
そう思わせてくれる応援歌。
「Nothing.」に込められた真の意味は、そういうものなのではないでしょうか。
だから聴くものの心を、こんなにも奮い立たせてくれるのです。