取り戻せる時間
まだ叶えてない夢 出会えてない人たちを
なりたかった自分を 思いがけない何かを
迎えに行こう もし間に合うなら
出典: 光の気配/作詞:坂本真綾 作曲:川口進・Louise FrickSveen・Xisco
歩んできた人生を見つめ直す、主人公。
僅かではあるものの、後悔の念ともとれる3行の歌詞です。
今日までの、代償と身代わりを悔い改めようとしているのでしょうか。
あるべき姿を追い求めたがゆえだと、心に言い聞かせているのです。
苦悩を抱えていた淡いあの時の記憶を、想い起こしているのかもしれません。
無知で若かった頃。その時を、これから回収しようとしているのでしょう。
今度は自分に、受容れる順番がまわってきた。
これまで犠牲にしてきた、人やコト。
遅すぎるなんてはずはないのです。
今の自分だからこそ、失われた時間を取り返せるのだと宣言しているのでしょう。
自分自身への挑戦ともとれるのです。
自分とは何か?
選ばなかった道はもう振り返らない
この先どこかで繋がるはずさ
出典: 光の気配/作詞:坂本真綾 作曲:川口進・Louise FrickSveen・Xisco
皆さんにも当てはまるシーンなのかもしれません。
あの時こうしておけば良かった。こう言っておけば未来は変わっていたかもしれない。
生きていれば必ず迫られる、重要なポイントでの選択と決断。
後ろ髪ひかれながらも、現在まで至り引きずっている方も少なくないでしょう。
その時々で自らが選んだ「未来」、「光の先」。
夢や目標、そこには数多の人や時間が左右しています。
自分が自分である、「所以」とは。
今が存在する理由、それは自身で選択した答えの結果なのではないでしょうか。
自責の念に苛まれる意味などなかったのです。
人生は常に答え合わせの連続といえます。
自分なりの答えをだしてきたがゆえ、疑いなく現在があるのですから。
選択した答えに、「一喜一憂」することはないのです。
飛び立つ「想い」
飛んでゆけー!
飛び立った鳥がもう見えなくなってく
翼ひろげて 冷たい風に抱かれて
ただ かすかな光の気配を追いかけながら
僕も一緒に連れ出していく
出典: 光の気配/作詞:坂本真綾 作曲:川口進・Louise FrickSveen・Xisco
人の心を表すには、少し抽象的な印象のフレーズが続きます。
取り戻せない過去を省みているのでしょうか。
ともすれば、現実逃避とも思える4行の歌詞なのです。
「鳥」とは一見、希望や輝く未来の象徴などを連想させます。
「光の気配」では、「負の想い」を指しているともいえませんか?
過ぎ去ってしまった時間や人。
選択した答えが偽りで終わってしまわぬよう、想いを乗せあえて羽ばたかせたのではないでしょうか。
「願いよ叶え」。行くあてのない飛行...。
過ぎし日の自分と、決別するためなのかもしれません。
それは、誰も見たことがない迷路の先を主人公は追い求め続けているからなのでしょう。
羽ばたく翼
橋をくぐりぬけ 境界を越えて
本能のまま さあ飛んでいけ
出典: 光の気配/作詞:坂本真綾 作曲:川口進・Louise FrickSveen・Xisco
縦横無尽。自由に羽ばたく「鳥」。
過去の自分と別れ、再び問いかけるために放ったのでしょう。
失った時間や人を探しに、想いは飛び続けます。
「光」を手に掴もうとする、身代わり。
限界などありえないと、ひたすら飛び続けるのです...。
答えとは?
どこまで行けば僕は満たされるだろう
問いかけながら 答えはないと知っている
ただ かすかな光の気配が
歌声のように あの鳥のように
僕を捉えて離さないんだ
出典: 光の気配/作詞:坂本真綾 作曲:川口進・Louise FrickSveen・Xisco