戦いの時はきた
アッケラカンな劣等感武器に
弾けないギターかき鳴らせ!
出典: Rolling!!!!!!/作詞:Q-TA 作曲:ANDW
決して後ろを振り返らず走り出した主人公は、この状況を「戦い」だと歌っています。
他人と比べて自分には才能や素質が足りないという自覚があるのでしょう。
しかし、そこで悩んでいてはスタートラインにすら立てないのです。
ですから主人公は「才能なんてないのが私」と本当の自分の姿をしっかり受け入れています。
同じコースを走る人々が簡単にできることでも、主人公には難しい。
ここでは「ギター」ですね。
皆と同じように美しい旋律を奏でることはできません。
しかし飾らない自分でいられる主人公は、自分が思うがままにピックを動かすのでしょう。
主人公は劣等感に押しつぶされず、「劣等感がある自分」で勝負に挑むのです。
何度だってチャレンジできる
転がり続けてる石のように
地図にない場所探してる
破れた夢はまた縫えばいい
ジグザグステッチ
これが私の意思よ
出典: Rolling!!!!!!/作詞:Q-TA 作曲:ANDW
主人公が自身を石に例えているサビのセクションです。
目標に向かって足を止めずに走る主人公にとって、地図は役に立ちません。
なぜなら主人公が目指しているのは、誰も知らない場所。自分でもその場所がよく分からないのです。
今走っている方向が正しいのか間違っているのか判断はできませんが、それでも足を止めません。
足を止めた瞬間、追い越されてしまうからです。
何の準備もせず勢いよく走るがあまり、石が「夢」を突き破ってしまうこともあります。
もしもその夢が自分にとって大切なものなら、もう一度戻ってこられるように破けた個所を修復すればいいのです。
修復が完璧でなくても、見た目に美しくなくても構いません。
その理由は、誰も知らない場所にある夢を目指しているのは主人公たった一人だから。
自分らしいステッチを加えた夢は、叶ったときに主人公をさらに魅力的に見せてくれるのではないでしょうか。
他の誰とも違う自分だけの夢、劣等感があるからこそ抱ける夢を叶えるためにひた走る。
これが主人公の根底にある「意思」です。
ターゲットにロックオン!
目指していた場所が見えたときも、速度を緩めないのが主人公。
最後まで気を抜きません。
自分の言動に責任を持っている
モノクロとビビッドカラー
差し色間違いいつも不協和音
二度付けは禁止許さへんよ
出典: Rolling!!!!!!/作詞:Q-TA 作曲:ANDW
「差し色」はファッションで使われることが多い用語です。
モノクロのコーディネートに鮮やかな色の小物をプラスしたり、黒主体なら真っ白を差し色にしたり。
色のある服装にはその補色となる色を差し色に使うことが多いですね。
ここで主人公が歌っている「差し色」は、ファッションのことではないようです。
例えば、とても落ち込んでいる友人に対して、良かれと思って伝えたアドバイスが「差し色」です。
友人をさらに落ち込ませる事態に発展することが多いのでしょう。
喜んで浮かれている友人にかけたひと言が余計なひと言となり、相手を怒らせてしまうことも。
周囲との調和がうまくいかないようです。
だからといって言い訳をしたり態度を翻すことを、主人公は良しとしていません。
後はどうにでもなれ!
運命の時はきた
スッカラカンな人生観胸に
弾けないギターかき鳴らせ!
出典: Rolling!!!!!!/作詞:Q-TA 作曲:ANDW
目の前に夢が見えてきたのでしょうか。
ここで主人公の勝負が決します!
夢さえ叶えば、後の人生は二の次、三の次、ケ・セラ・セラというように考えている主人公。
自分にしか奏でられない音を奏でながら走っていきます。
「転」と「回」の違いとは
回り続けている石のように
道のない場所走っている
離れた夢はまた追えばいい
グルグルスパート
これが私の意思よ
出典: Rolling!!!!!!/作詞:Q-TA 作曲:ANDW
前出のサビでは「転がり続けている」とされていましたが、ここでは「回り続けている」。
この違いは何でしょうか。
「転がる」の時点では夢のありかが分からず、とにかくあちこちに進路を変えていたということでしょう。
でこぼこの道の上を表面がゴツゴツしている石が転がれば、行く先は予想できません。
がむしゃらに前に進んでいたことが分かります。
対して「回る」に変化したこのセクションでは、目的の場所に向かって一直線に走っているのです。
そこには整備された道もゴツゴツしたあぜ道もありませんし、けもの道すらありません。
それでも「夢」が見えているからこそ道なき道を進んで行けるということでしょう。
「転がる」「回る」という表現で石の動きに明確な差があることが分かりますね。
ターゲットを捉え、もう少しで届く!と思った瞬間、夢がススス―ッと先に進んでしまうこともあります。
しかし、そこで諦めるような主人公ではありません。
ゴールは見えている今できることは、回転数を上げて全速力で進むことだけ。
この石の動きこそ主人公の「意思」そのものなのです。