『恋のフーガ』は1967年に発表された曲
カバーするアーティストも多数存在
双子で一卵性双生児のユニット、ザ・ピーナッツ。
今回紹介する『恋のフーガ』はもとより『恋のバカンス』も名曲として知られていますね。
『恋のフーガ』は1967年に発表されました。
作詞がなかにし礼、作曲がすぎやまこういちという豪華な布陣。
ザ・ピーナッツは、同年開催された「第18回NHK紅白歌合戦」にこの曲で参加しています。
ザ・ピーナッツの特徴は見事なハーモニー。
双子ユニットならではの意思疎通や音のマッチ感が、楽曲を盛り立てていますね。
名曲ですので、カバーするアーティストも多いです。
小柳ゆきさんやW(ダブルユー)などが代表的ですね。
さて、今回は『恋のフーガ』のタイトルと歌詞を重点的に解説します。
まずはじめにタイトルの意味について考えてみましょう。
「フーガ」とは音楽形式の一つ
『恋のフーガ』は「フーガ形式」ではない
タイトルは『恋のフーガ』。
では、「フーガ」とはいったい何なのでしょうか?
フーガ(伊: fuga、遁走曲)は、対位法を主体とした楽曲形式の1つ。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/フーガ
上に引用したように「フーガ」とは、音楽の一形式です。
突然ですが、皆さんは登山をして、頂上で「ヤッホー」と叫んだことがありますか?
その際、「ヤッホー」がこだまするように聞こえてきたと思います。
やまびこですね。
「フーガ」はやまびこのようなものだと考えてください。
例えばピアノで、あるフレーズを弾いたとしましょう。
仮にそのフレーズ弾いた後、遅れて同じフレーズを弾いたとします。
そうすると、前の音を追いかけるように、後から弾いたフレーズが鳴ります。
簡単にいうとそれが「フーガ」です。
クラシック音楽に用いる「フーガ」。
バッハやベートーヴェンの作品にこの形式が多いです。
特に、バッハのオルガン曲『トッカータとフーガ』は有名ですね。
以上をふまえてもう一度タイトルを見てみましょう。
「フーガ」は同じフレーズを遅れて繰り返す形式。
ここでタイトルを日本語にしてみます。
「恋の繰り返し」。
いかがでしょうか?
これだけではあまり意味が分からないですね。
それもそのはず。
『恋のフーガ』は「フーガ」と何の関係性もないのです。
冒頭の歌詞のフレーズがこのタイトルを付けるきっかけになった
悲恋の歌
追いかけて追いかけて
出典: 恋のフーガ/作詞:なかにし礼 作曲:すぎやまこういち
上記に引用したのは『恋のフーガ』冒頭の歌詞です。
なかにしさんはこのフレーズを先に作って、そのあとタイトルを付けたのではないでしょうか?
「フーガ」形式の音楽を聴いていると、音が追いかけるように聞こえます。
前に発された音を、次に発された音が追いかける。
それを、男女の恋愛模様に当てはめたのです。
「フーガ」のように、去る男性を追いかけたい。
主人公の思いが詰まったタイトルです。
タイトルを付けたのは誰か分かりません。
おそらくこの曲を作詞した、なかにしさんが付けたのでしょう。
こう考えてみるとタイトルの意味が分かりますね。