アルバム『Thanksラブレター』のDisk2に収録されたカバーソング

The Winking Owl【楓】MVを徹底解説!アコースティックコラボが実現?あの名曲をカバー!の画像

激しいギターに、乱舞するベース、踊り狂うかのように打ち付けるドラムの上で舞うボーカル。

それが、『瞬きするフクロウ』というバンド名を持つ4人組ロックバンド『The Winking Owl』です。

前作から3年ぶりにリリースされたアルバム『Thanksラブレター』では、4人体制となり雰囲気が変わりました。

これまでのロック路線から少しポップで、聴きやすくなったイメージがあります。

そんなアルバム初回限定特典として同梱されたDisk2に収録されたカバー曲『』。

この特典は、メンバーが選曲した5曲をアコースティックアレンジされた楽曲が収録されています。

その中で今回ご紹介する『』の原曲は言わずもがな、スピッツ名曲『楓』です。

これまでのThe Winking Owlの音楽性からすると、カバーと言われても想像しにくい選曲。

今作から若干の方向転換が見て取れる通り、今後のThe Winking Owlの方向性を示していると思います。

どんなアレンジに仕上がっているのでしょうか。

The Winking Owlの音楽性

これまでのThe Winking Owlの音楽性は攻撃的で激しいロックでした。

それをお分かりいただけるように、参考として『Bloom』という曲を挙げてみます。

1stフルアルバムである『BLOOMING』に収録された1曲です。

お聴きになってお分かりいただける通り、イントロからかなり攻めたギターサウンドが響きます。

前へ前へと転がるような疾走感と、洋楽を彷彿とさせるメロディラインが実にかっこいい。

このような、激しいロック路線だったのがこれまでのThe Winking Owl。

このイメージをお持ちの方からすると、今回のカバーは耳を疑うものとなっています。

そんなThe Winking Owlが今回選曲したスピッツの『楓』についておさらいしておきましょう。

原曲であるスピッツ『楓』に詰まった魅力とは。

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『楓』は、『スピカ』との両A面シングルとして発売された、スピッツ19thシングルです。

発売は1998年の七夕、7月7日。

こんなに昔の曲ではありますが、いまでも色褪せず、いろいろなミュージシャンにカバーされています

また、2017年にはCMソングとして起用されるなど、形を変えて人々の心に届き続けています。

このことからも、この曲が名曲として語り継がれていることがお分かりいただけるかと思います。

CMソングとして起用されるなど、色褪せない名曲

2017年、『キリン 午後の紅茶』のテレビCMに起用されて、当時も話題になりました。

このCMの主演は上白石萌歌さん。

まっすぐな歌声と曲のイメージや歌詞、そしてこのCMのストーリーが見事に合致しています。

当時、テレビで流れるこの映像に釘付けになったことを覚えているほど印象的でした。

では、この曲の原曲はどのようなアレンジだったのでしょうか。

原曲。スピッツの名曲『楓』。

ゆったりとしたテンポに優しく包み込むような、ボーカル草野さんの歌声が印象的です。

曲全体に漂うオリエンタルで、どこか懐かしくノスタルジックな雰囲気はTheスピッツといった仕上がり。

この心地よいアレンジで、多くの人の心を揺さぶり、オリコンランキング10位にランクしています。

この曲のミュージックビデオが、発売から10年ほど経ってからスピッツの公式チャンネルで公開されました。

その再生回数が4000万回を超えるなど、いまだに人々の心に響き続けていることが伺えます。

そんな名曲だからこそ、これまでもいろいろなミュージシャンがカバーしているのです。

後でカバーの中から少し抜粋してご紹介しますので、まずは今回の本題The Winking Owl版のご紹介です!

The Winking Owl版の『楓』は原曲に寄り添い、響き合うアレンジに

そんな原曲に負けないアレンジをやってのけたのが、今回ご紹介するThe Winking Owlです。

皮のジャケットに身を包んで、激しく楽器をかき鳴らすこれまでのイメージとは一転。

森に包まれ、ラフな衣装で優しく歌う姿には目を疑ってしまいました。

しかし、再生してすぐにその疑いは晴れて行きます。

こんなに優しい音色と歌声で音を紡ぐことができたのか、という驚きに満ち溢れました。

バンドとしてのアンサンブルも、ハスキーで芯のあるボーカルも素晴らしいものです。

こういうしっかりとしたベースがあったからこそ、激しい曲でもブレずにリスナーに届いたのでしょう。

バンドの底力を見せつけられたカバーアレンジに仕上がっています。

原曲のイメージをしっかりと継承し、リスナーの感覚にも寄り添ったアレンジになっているカバー。

そんなカバー曲『楓』のミュージックビデオを解説していきましょう。

森の中で佇む優しいアレンジ

森とアンプラグドな楽器群が響かせるアンサンブル