イントロのピアノが心地よく響く森の中。

木々の緑とグランドピアノやアコースティックギターが絶妙にマッチしています。

この曲の歌詞は、愛を知り、そして別れを知ってもなお、忘れられない相手を歌ったものです。

この切なく情緒に溢れた曲のイメージが、秋めいた森の様子と重なります。

全体に漂う霧が表現するもの

今はもう届かない相手を思う喪失感や、モヤモヤした気持ちを視覚的に表しているのが霧です。

触れようとしても触れることができないけれど、周りにずっと漂っている状態

その霧は晴れることがないのだという思いを表現しています。

木漏れ日に込められた微かな希望

『この想いはいつか届くかもしれない。』

そういう期待を持ち続けている状態を表しているのが木漏れ日です。

随所で効果的に差し込まれています。

もう諦めて、心が折れそうになっていてもなお期待してしまう恋心。

きっともう戻ってくることがないということを理解しているところが切ないです。

枯れ始める木々と霧と木漏れ日

こうしてこの三者が絶妙に絡み合い、ボーカルの少し枯れた声や落ち込む表現が切なさを倍増させます。

原曲では表現されていなかった部分にまでスポットを当て、それをこのバンド流に昇華された結果です。

という曲だから森にしておこう!』

とか、そういう安易な思いではなく、しっかりと曲のイメージを表現されたミュージックビデオ。

最後にボーカルが立ち上がった姿で締めくくられています。

この意味はなんでしょうか?

それは、これから未来を見て、自分らしく生きるという表現になっています。

ただ切ないまま終わるのではなく、先につなげて行く。

これがThe Winking Owlの表現したかった『』なのだと思わせてくれました。

これでこの曲に対する解説を終わります。

【まとめ】カバーの真髄を見た

原曲やそのアーティストへのリスペクトと、歌詞のイメージをしっかりと汲んだアレンジ。

その中でも自分たちの色や想いを合わせて表現するのがカバーの真髄だと思います。

それを最高の形で表現したのが今回の『』のカバーです。

これからも何かのタイミングでこのバンドの様々なカバーを見ていきたいと思いました。

オリジナル曲だけでなく幅広い活躍に期待が膨らみます。

【ご紹介】スピッツの『楓』の歌詞解説

The Winking Owl【楓】MVを徹底解説!アコースティックコラボが実現?あの名曲をカバー!の画像

下記の記事で、スピッツ版『楓』の歌詞解説がされています。

細かい考察が書かれているのでぜひご一読ください。

1998年に発売されたスピッツのシングル『楓/スピカ』。『楓』がどんなふうに検索されているのか? 草野正宗の歌詞の世界とは? バラードの名曲『楓』について考察してみました。

【おまけ】特徴的なアレンジを加えた『楓』のカバーたち

朝倉さや版/民謡アレンジの『楓』