No wish, no smile, only despair
The program will go on
出典: theater D/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID
先程の禁止事項が繰り返されました。
もしかすると観客の中に、願いや笑顔を持ち込んだ人がいたのかもしれませんね。
そうした人の結末も気になりますが、続く演目が始まるようです。
ワルツは続く
Welcome to the party
拙く滑稽なワルツが
This show will never end
飽きてもまだ廻り続ける
“Would you like one more heartbreak, huh?”
出典: theater D/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID
踊り慣れていない女性が踊っている姿を想像すると、この歌詞が読み取りやすいかもしれません。
ワルツ(英: waltz、英語発音: [wɔːlts] (ウォールツ)、仏: valse(ヴァルス)、独: Walzer(ヴァルツァー))もしくは円舞曲(えんぶきょく)とはテンポの良い淡々とした舞曲、及びそれに合わせて踊るダンスを言う(→ワルツ (ダンス) )。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ワルツ
リズムに合わせることに必死になり、「1・2・3」のどの拍なのか分からなければ踊りの止め時も分かりません。
単純な三拍子になぜこれほどまでに苦戦しているのか、と周りは思うでしょう。
しかし当人は止めたくても止められないのです。
冷たい目で俯瞰する観客と、屈辱を受けながらも踊り続ける女性。
絶望の回路のスイッチが入ると自分では止められない。そんな意味を感じます。
「もう一度傷付いてはいかが?」
観客が一度は傷を負っていることを前提に「もう一度」と問いかけているのです。
誘っているようなフレーズですが、実際はどうでしょうか。
「そろそろ気付いたらどうですか?」と何かヒントを与えるようにも感じるフレーズです。
暗闇に気付いてもなお気付けないものがある
下しか見えないとき
How do you feel?
What do you think?
Fun? Joy? Relief?
Yeah, you’ve fallen
出典: theater D/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID
「どんな気分?何を考えている?楽しさ?喜び?安らぎ?そう、あなたはもう堕ちているよ」
「悲劇」を観ている客に問いかけ、その答えに対して最後に「堕ちた」と断言します。
何もかもを失って絶望の淵に立つ人は、他人の絶望に何を思うでしょうか。
マイナス思考に陥っているときは、下ばかりを見てしまうものです。
業績が悪ければ自分よりも業績が悪い人を探して安心感を得ます。
絶望を感じていれば、自分よりも不幸な人を探すのです。
そんなことをしているうちは絶望から抜け出せないのでしょう。
「絶望」は暗闇の中に存在する
嗚呼、止まない
Wailing from the dark…
嘆きの声
Howling in the dark…
出典: theater D/作詞:MYTH & ROID 作曲:MYTH & ROID
「暗闇が呻いている。暗闇の中で呻いている」
似たような英詞でも微妙に意味合いが違います。
おそらくは主人公の心の中を表現しているのでしょう。
「黒い心」という表現があります。誰かに対する悪意を表す言葉ですね。
主人公の心の中にある黒い部分が、他者に対して「もっと絶望を味わえ」と煽っているのではないでしょうか。
そして主人公自身も黒いものに覆われているのです。
ひとつの絶望が他者の絶望を呼び、自分自身を絶望に染めていくという絶望の連鎖が歌われているのだと読み取れます。
終わりに
「絶望」を的確にとらえ、劇場の演目に例えて表現した「theater D」。
ここまで負の感情に支配された経験を持つ方はきっと少ないでしょう。
この曲の本当の意味が理解できるのは、実際に自分が「絶望」を味わったときだけなのかもしれません。
最後に、OTOKAKEで掲載しているMYTH & ROID関連のおすすめ記事を2つご紹介します。
まずは「shadowgrahp」。