アルバム『The Insulated World』のリードトラック
2018年発表!
日本のみならず海外でも人気のあるDIR EN GREY!
彼らの楽曲『Ranunculus(ラナンキュラス)』をご紹介します。
2018年9月10日にYouTubeでMVが公開されたこの曲。
10thアルバム『The Insulated World』のリードトラックです。
アルバムでは最後に収録されていました。
今回は美しさとグロさが混在するというMVの内容を集中的に解説!!
歌詞もご紹介しますので、お楽しみに!
MVを解説!
MV監督は『近藤廣行』!
『Ranunculus』のMV監督は『近藤廣行(こんどう ひろゆき)』さんです。
映像制作会社である『VISUALTRAP(ヴィジュアルトラップ)』の代表を務めています。
これまでもDIR EN GREYの曲で多くのMVを担当してきた方です。
最近ではシングル『人間を被る』のMVも監督していました。
規制が入ってしまうような過激な作風を特徴としています。
『OBSCURE』や『朔-saku-』の監督と言えばピンとくるのでは?
MV集のDVD『AVERAGE PSYCHO』では全てのMV監督を担当。
このDVDでは規制がかかってしまったMVを集めて無修正バージョンで収録しています。
観るのに心の準備が必要ですが、近藤廣行さんの映像が堪能できる作品です。
近藤廣行さんは『陰陽座』や『ALI PROJECT』などのMVも担当しています。
今回調べて色んな有名曲のMVを多数担当されていたことを知り、驚きました。
著者が個人的にオススメしたいのは『AA=(aaequal)』の楽曲『GREED...』です!
モノクロで迫力のあるかっこいいMVです。是非チェックしてみてください。
それでは改めて、そんな近藤廣行さんのセンスが光る『Ranunculus』のMVを観てみましょう。
鮮やかで不気味なサーカス
教会の内装を飾り付けたようなステージで演奏するバンドメンバー。
あちらこちらにサーカス団員達がおり、何かの準備を行っています。
白い花嫁衣裳のような服装の女性が中央に横たわっていましたが、檻に入れられステージ上へ。
一夜明けると京さん(Vo.)の衣装は黒から白に変わっており、開演の準備は整ったようです。
女性は真っ黒に顔を塗られ、そばにある空気入れを上げ下げすると風船のように腹部が膨らんでいきます。
苦しむ女性はドレスの下半身を血で濡らし、何かを出産しました。
サーカス団員達がこれを取り上げ、連れて行ってしまうところで映像は終わります。
テーマは『処女懐胎』?
ステージに飾られている絵画に注目
ステージ向かって右上と左上、左下に飾られている絵画に注目してみてください。
聖母マリアと幼いキリストの姿が描かれたものです。
そして、ステージには大小の十字架が。
ちなみに右下の絵画はフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」。
微笑んでいるようにも見えることから 「オランダのモナ・リザ」とも呼ばれる絵画です。
その「モナ・リザ」は聖母マリアを描くときと同じ構図で描かれているんだそうです。
一貫して「聖母マリア」を意識していることが分かると思います。
そして、途中に挟まれる、森を女性が歩いていたり、野原を走る映像。
一瞬映る、黒い服を身に着け、黒い爪の人物。
更に意味ありげに映る「魔法円」。
ここからは推測になりますが…
逃げ出した花嫁が魔女に捕らえられて、怪しげな魔術によって妊娠、出産した。
そんなストーリーなのではないでしょうか。
サーカス団と思っていましたが、この集団はなんらかの宗教団体なのかもしれません。
外の世界の象徴として描かれるのはバベルの塔?
冒頭から映る「古い建造物が描かれた絵画」。
この建造物は「バベルの塔」ではないでしょうか。
旧約聖書の「創世記」に登場する建造物。神に挑戦しようと高い塔を建設し始めた人間。しかし、神はこれに怒り、塔を崩して人間たちの言語をバラバラにしてしまったという逸話が存在する。空想的で実現不可能な計画を比喩的に「バベルの塔」という。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/バベルの塔
「バベルの塔」は人間の愚かさを象徴するようなものです。
これは女性が逃げてきた外の世界を表しているのだと思います。
TV画面にも戦争の映像などが映し出されていることに気づきましたか?
目を背けたくなるような現実。
そこから逃げてきた女性は何を生み出したのでしょうか?