人気曲の歌詞解釈!

魅力が詰まった歌詞

2003年に結成され、2012年に解散した、椎名林檎を中心とするバンド。 解散理由は、「私たちの役割は果たした」「やることはやり尽くした」。 すべてを出し尽くした超実力派バンドの 9年間の間に生まれたのは数々の名曲たち。 独特の歌詞に、その魅力が豊潤に詰まっているように感じます。 その歌詞を紐解いていきたいと思います。

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東京事変デビューシングル『群青日和』

独特な世界観


椎名林檎の独特な世界観がにじみ出る
ようなインパクトある歌詞です。

演技をしているんだ
あなただってきっとそうさ
当事者を回避している
興味が湧いたって
据え膳の完成を待って
何とも思わない振りで笑う

出典: 群青日和/作詞:椎名林檎 作曲: H是都M

東京事変「群青日和」

みんな傷つくことを恐れている。 当事者にならなけば、責任回避の言い訳ができる。 傍観者になれば、気楽に好きなことを無責任に言えるし、できる。 興味があることだって、自分から興味があることすら言わない。 自分から動くことすらしないで自分の眼の前にそれが来ることを待っているだけ。 勝手に、自動的に、そんなことが怒ることなんてないって、知っているのに。 自分でない誰かが、行動してくれたから、自分の眼の前にそれが存在していることを、知っているのに。 なのに、なんとも思わない振りをする。 自分が情けないとか、みっともないとか、思っていても、それすら認めたくない。 認めたら、自分の責任を認めることになるから。 だから、何も感じていない、何も知らない、何もわからない振りしてただ無表情に笑うだけ。 責任逃れや事なかれ主義が蔓延している現状を嘆いてるように聞こえてきます。 そして、そんな状況に感じるストレスや鬱憤、強い不満の感情をぶつけるかのようにも感じます。

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衝撃的な三分間『能動的三分間』


始まりから終わりまでの長さが
ぴったり三分間という特徴的な曲。

ライブの際には、スクリーン上で
カウントダウンされる仕掛けがあって
非常に盛り上がる、中毒性の高さがあります。

まさに、東京事変のキラーチューンと
いってもいい曲。

You're all alone
You're fixing ramen
You pour hot water in
Where are you thoughts wandering as you wait there?

出典: 能動的三分間/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

歌詞和訳


君はたったひとりで 
即席麺を作っている 
熱いお湯をそそぐだけ
完成まで如何するの?

歌い出しから衝撃的な歌詞ですね。 3分間といえば、パッと思いつくのがカップラーメン。 お湯を注いで、3分待つだけで、熱々のラーメンが完成する手軽さが一番の魅力。 そこにあるのは、栄養や健康という大切な側面を排除して、楽だから、安いから、簡単だからという理由。 本当の満足を追求せず、「とりあえず」で満足し、 ただ、出来上がりを待つだけという「受け身な姿勢」が象徴されている。 それが、当たり前のようになっている日常に疑問を投げかけているように感じます。 能動的とは真逆の三分間。

東京事変「能動的三分間」

受け身が良くない、もっと能動的で いたいとは誰しも思ったことがあるはず。 でも、人は楽な方へ流れていくもの。 人はすぐに忘れるもの。 いつの間にか、受け身な時間を過ごしてしまう。 この曲もランキングのような一過性のものとしては、短命でも、この音楽自体はずっと存在し続ける。 流されてしまったら、忘れてしまったら、またこの曲に戻って来ればいい。 音楽とはそれだけの拠り所となるパワーがあるから。 そんな風に聞こえてきます。

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