「I Think, I Sing, I Say」はミックステープ『FREE TOKYO』収録
無料配信された挑戦的なアルバム
「I Think, I Sing, I Say」は2018年8月にリリースされたアルバム『FREE TOKYO』に収録されています。
『FREE TOKYO』をミックステープで無料配信するという形は、SKY-HI自身が発案したもの。
期間限定ながら無料ダウンロードも可能となっていました。
『FREE TOKYO』は、採算が取れないことを承知の上で制作された作品。
「自分のファンだけでなく多くの人に気軽に聴いてほしい」という彼の意志が込められています。
CDで音楽を聴く文化は失われつつあり、YouTubeやSpotifyなどで音楽を無料で聴くことが当たり前な昨今。
アーティスト側としても、新しい世代に向けて従来とは違った音楽流通の方法を探る必要がありそうです。
AAAでは日高光啓として活躍し、日本ではメジャーなアーティストであるSKY-HI。
置かれた地位に甘んじることなく世界進出を見据えて挑戦する姿は「かっこいい」の一言です。
彼の先駆者としての姿勢は今回紹介する「I Think, I Sing, I Say」でも表れています。
「I Think, I Sing, I Say」には韓国人ラッパーReddyがフィーチャリング
「I Think, I Sing, I Say」にフィーチャリングとして参加しているのが、若手韓国人ラッパーのReddyです。
彼のラッパーとしてのワールドワイドな魅力は「Ocean View」のMVを観ていただければわかるでしょう。

2016年にシングルでリリースされたこちらの曲は、フック以外はほぼ韓国語で歌われています。
韓国だけでなく英語圏からも称賛のコメントが来ており、高い評価を受けているようです。
ヒップホップと言えば以前は黒人が行うものという認識がありました。
しかし、今や母国語で歌うアジア人のラッパーは珍しくはありません。
世界で活躍する韓国のアイドルグループBTSも、攻撃的なラップを売りにしています。
音楽のジャンルにおいて、人種や国籍による表現の差別は格段に減ってきているようです。
ReddyはSKY-HIより1歳年上と年齢も近く、これから世界に向けて発信していく力を持つアーティスト。
アジアを代表するラッパー2人がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、気になりますね。
それでは「I Think, I Sing, I Say」のMVをご覧ください☆
世界平和を体現する色鮮やかなMV

渦巻き型のロリポップを片手に、軽やかに街を歩くアフロヘアーの女性。
待ち合わせ場所には、SKY-HIを始めとするカラフルなファッションの若者たちがいます。
それぞれ出身は異なるようですが、とても仲が良さそうです。
最初にみんなで入ったのは美容院。思い思いに髪をセットしてもらいます。
続けてReddyがラップするシーンでは洋服屋へ移動。
ポップなカラーの洋服が並ぶ店内を、お気に入りの服を探して物色します。
Cメロのような面白いラップの掛け合いを挟み、舞台はバーカウンターのある会場へ。
音楽を聴きコップを傾けながら、個性豊かな若者たちは夜の時間を楽しみます。
最後はReddyとSKY-HIがフックを歌うシーンへ。
こちらでは、先程の洋服屋で選んだ衣装に2人ともチェンジしていますよ☆
Reddyと肩を組んで歌ったり、ドリンクの入ったコップをカメラ目線で揺らすSKY-HI。
「国籍や見た目の違いなんて気にしない」「音楽を一緒に楽しもう」という気持ちが伝わります。
仲間思いでセクシーでおしゃれなSKY-HIの魅力にますます虜になってしまうMVでした。
次に「I Think, I Sing, I Say」の歌詞を解釈していきます。
世界を舞台に生きるSKY-HIのスタンス
まずは自己紹介から
日の本生まれ信仰心、無宗教、俺の仕事は偶像
でも言うことは言うし たまに牙を剥く でもLoveが胸の中央
出典: I Think, I Sing, I Say/作詞:SKY-HI,Reddy 作曲:SKY-HI,Reddy
SKY-HIの自己紹介から歌詞は始まります。
海外で初対面の人と会ってよく聞かれる3大質問と言えば、国籍、宗教、仕事。
SKY-HIもそれに答える形でラップをしています。
偶像は英語に訳すとidol(アイドル)です。
英語では日本語のアイドルとは使い方が異なり、崇拝の対象となる偶像という宗教的な意味を持ちます。
仏像や神様を象った彫刻は、生きていないため動くことはなく、人々から一方的に敬われる存在です。
しかしSKY-HIは「自分という偶像(アイドル)は動くし、反発することもある」と言います。
遊びながらも本業を忘れない
my boy, my girl 遊ぼうぜ毎晩
ノリ方がわからなきゃ 俺がガイダンス
ラジオにクラブでもかかるライバル
俺も負けちゃいらんないな
出典: I Think, I Sing, I Say/作詞:SKY-HI,Reddy 作曲:SKY-HI,Reddy
こちらは、SKY-HIのフレンドリーでパーティピープルな部分が伝わる歌詞です。
イケメンでダンスが踊れて音楽の楽しみ方を知っているSKY-HIに誘われたら、断る理由はないですね☆
そして職業病なのでしょう。お客として音楽を聴くひとときでも、他のアーティストをチェックしています。
オフの時間でも気持ちを音楽に向けるプロフェッショナルな姿勢と競争心。
トップに立つ人の共通点として負けず嫌いであることがよく取り上げられますが、SKY-HIもそのようです。
「何か自分に取り込めるものはないか、足りていないものは何か」と常に自己研鑽をしているんですね!