ナヴァホの聖地へはテロートマトンで行こう
続出するバグは助手のトラウマが原因であり
激励こそ最良のメンテナンスである
グレートブラボーボックスの拡張スロットに アモール・バッファーを差し込む
出典: 夢見る機械/作詞:平沢進 作曲:平沢進
アメリカに住むインディアンの住む所を訪ねるようです。
この部族は中々の知恵者達なので用心しながら進まなくてはいけません。
そのために用意したのは無線操作ができる機械です。
100年以上も前の発明ですから時代背景も影響し完成には至りませんでした。
要するにこの機械も不発に終わっています。
この装置は二コラ・ステラが発明したものでした。
そして平沢進氏がライブで使われている、あのステラコイルの発明者です。
空中放電で小さな雷が見れるものですね。
この二コラ・ステラという人物はエジソンの好敵手でもありました。
ですが歴史とは皮肉なもので晩年は精神障害に悩まされオカルト的な奇行が目立ったようです。
この機械の不調は「助手」の不調によるものだということですがここにはちょっとした意味があります。
その労わりの言葉はエジソンとは違う人生を送った二コラ・ステラへ向けられたものでしょう。
そこでまた気を取り直してあの眉唾な箱のパワーを上げるために収集されたデーターを注入します。
ミッション2
儀式の熊
コマンド2として心をイヨマンテの矢じりに置く
とらわれの娘よ わたしを訪ねたまえ
出典: 夢見る機械/作詞:平沢進 作曲:平沢進
次に向かうのは主に日本やロシアに多いといわれるアイヌ民族の暮らす場所です。
伝統的な暮らしをして来た先住民ということですがその中の儀式のことが書かれています。
生活に切っても切れない役割を果たしている熊を生贄として神に捧げる儀式です。
最初は殺傷能力の弱い矢を打って熊と遊ぶようですが危険なことに変わりはありません。
ここに書かれている「娘」というのは生贄にされそうな熊のことですね。
その熊を助けましょうと言っています。
次に向かうのはペルー
スカラープールからペルーへはヒエロニムスの回路を通る
トパーズ18フォンツにホピ族の母をかくまう事は可能だ
デラワーカメラでスナップショットを1枚 1億年前のリセットを思う
出典: 夢見る機械/作詞:平沢進 作曲:平沢進
またしてもあの装置が登場します。
方角を定めることの出来ない装置を使いペルーに行くのは困難です。
そこで新しく登場するこの装置を見てみましょう。
この装置は遠隔操作で色々なことができるという夢の装置です。
どのようなことができるかというと例えばエネルギーを送り込むことで病気も直せます。
これもいわゆる超能力に近いものですね。
最終的に回路図を書いただけで治療できたりメンテナンスができるという魔法のような装置です。
絵に描いた餅を食べるようなことでしょうか。
とにかく回路図だけで動かせる動力とは?
超未来の自動車とかありえなくもないですが…。
そして次に登場するのはアメリカンインディアンです。
「ホピ族」というのは「コヤニスカッティ」という映画で一躍脚光を浴びました。
フランシス・コッポラ提供の会話のない映像と音楽だけのドキュメンタリー映画です。
その中で予言者としても知られる彼らの言葉「コヤニスカッティ」がクローズアップされました。
その言葉の意味は「バランスを失った世界」です。
勿論この言葉は地球の終末を暗示させるものですね。
そのような大切な民族を、ましてやその母を連れ出すというのはなんてシンボリックなことでしょう。
そしてまた新たな装置の登場です。
この装置もこれまたオカルト的なものでした。
イメージだけだとホログラムのようですが、撮影しただけで未来の姿が映るそうです。
これも非科学的な装置ですね。
この装置を使って反対に太古の時代に戻りたいという切なる願いがあるようです。
この歌詞の法則やテーマも少しずつ見えてきました。
最終ミッション
最終コマンドとして導線コイルのトーテムに一礼する
苦難の助手よ わたしに続きたまえ
出典: 夢見る機械/作詞:平沢進 作曲:平沢進
ミッションもそろそろ終わりに近づいて来ました。
そこで今迄登場してきた人物あるいは動物を思い出してみましょう。
先ずは会えたかどうかはわかりませんが石を探してくれる人、砂漠の少年兵士。
生贄にされそうな熊、インディアンの母そして「助手」と主人公のキャプテンです。
彼ら全員が乗組員になったかどうかはわかりませんがやはり1番気になるのは「助手」ですね。
ここはステラコイルの胴体に電流を流す場面です。
そしてこの機械の傍らにいるのは苦悩の人生を歩んだ発明者ニコラ・ステラに他ならないと思います。
そうです、この「助手」を救うことが最後のミッションでした。
そしてこの偉大な発明家への敬意を込めてこの旅は終わりでしょうか?
次ではまとめとしてこの歌詞の中の法則やテーマを探ってみたいと思います。
まとめ~この旅が達成したかったこととは
この歌詞の法則とは次々と出てくるナンセンスな機械達でしたね。
とても愛おしい人間の失敗の歴史です。
未完成で十分な機能を果さないものばかりでした。
そこにスポットを当てた平沢進氏の優しさに一礼しましょう。
そして「夢見る機械」とは夢の機械という意味ではなく夢を見ている機械という意味です。
機械を擬人化した表現ですね。
なんだかとても切ない機械達でした。
ではこのナンセンスな機械達を連れてキャプテンは何をしようとしていたのかというと…。
そのキーワードを握るのはやはりホピ族の予言でしょう。
彼女をかくまう理由はバランスを失った世界を憂うあの言葉です。
この言葉をできるだけ他の人に知られない内に早く地球を救済すること。
これがコマンドからの任務でもありました。
ですが同行するのはまがい物の機械や道具達ばかりです。
地球防衛隊ともいえるこの「夢みる機械」に幸あれ!