Suchmos "WIPER"
もはや虜&メロメロの方も多いのでは?
今回はSuchmosの"WIPER"という楽曲をご紹介いたします。
今回もオッシャレ―なシティポップサウンドで魅せてくれるのは変わりないのですが、今までのSuchmosの楽曲とはやはり違うなと気づくことでしょう。
収録シングル
"WIPER"は、"F.C.L.S. (First Choice Last Stance)"というシングルといいますか、NEW LABELに収録されています。
爽やかシンプルすぎるジャケットデザインが超ハイセンスです。Adidasの白スニーカーのような洗練されたデザインを彷彿とさせますね。
そして後述のMVを見ていただくと、このデザインがスプレー型とスプレーで吹きつけたロゴであることがわかります。
動画はこちら
MV

MVの内容にコメントを加えておきましょう。
F.C.L.S.のロゴが背中に入ったパーカーに身を包み、顔もわからず声も一切発さない怪しい人が複数出てきます。この人たちがnew Suchmosなのでしょう。
ヒットソング"STAY TUNE"を演奏するライブシーンが一瞬流れるものの、どこか否定的に表現されています。
そしてF.C.L.S.の人たちは一切群れることなく、淡々と仕事だけをこなしていきます。そしてコミュニケーションツールはスマートフォンだけ。
これは街中で複数人で闊歩する人たちや、ライブ会場で話題を求めてワイワイしたり電話をしたりする人たちとは完璧に対照的です。消費する者と創作する者の対比ともいえましょう。
つくる側は完全に孤独なのですよね。誰かと群れていても良い作品は作れませんし、話題という流動的なものにつられることなく自分の表現したいことを淡々と作品にしていくのです。
そんな対比を、一切の言葉を使わずに映像と音楽だけで表現しているMVだといえるでしょう。
また、F.C.L.S.の人たちは同じ格好をしていますが、Suchmosの刻印という個性をもっています。ファッションだけで個性は示せないということもよくわかります。
ライブバージョン

正直YONCEさんは外見だけでしたら、どこにでもいそうな知性的で清潔感のあるお兄さんのように思われるのですよね。服装とか髪型とか、ひっじょーにシンプルですし。
しかし妙に個性的というかいい意味で独特さを感じるのは、その内面から湧き出ているセンスや思考が違うからではないでしょうか。
あと余計なことを徹底的にそぎ落としてらっしゃるから洗練されているのでしょうね。
あらゆるものや価値観が溢れかえっている中で、YONCEさんのようにシンプルであり続けるのは簡単なことではないでしょう。
そこにSuchmosの芯を感じることもできますね。
歌詞はどんな意味?
wiperといえば、ご存知のとおり車の窓をキレイにしたり雨の日に活躍したりするアレです。
もうちょっとふみこむと、wipeは動詞なので拭う、ふき取る、消し去るなんて意味があります。
車のワイパーを考えるよりは、「拭う人」「消す人」として捉えたほうが意味的にしっくりくるかもしれません。
以上をふまえながら、"WIPER"の歌詞をご覧いただきましょう。
ハッキリ本音で生きろよ
Stop! LIVE and Direct そういうもんだろう?
信用 なんてもんはないだろう
PIN バラすつもりはない そうなんだろう?
Get out baby 邪魔なものは Washing
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-170705-174
語尾が「だろう」で揃えられているのが、Suchmos節といいますかボーカルのYONCEさん節としておなじみですね。
「信用 なんてもんは(そもそも)ないだろう」ということで、「最初から信頼なんて口だけだろう」というようなことを言っているのでしょうか。
そしてPINといえば暗証番号のことですから、「結局本当のところを教えるつもりは毛頭ないんだろ」のような意味でとらえることもできます。
したがって、言葉だけ調子がいい不誠実な人を皮肉っているフレーズと考えられますね。
「信用とか良い関係をとか言っても、結局は自分の利益優先なんだろ?ハッキリしろよ。つーか消えろ」といった感じでしょうか。
たしかに良心的に見せかけて「対等な関係を…」とか言うくせに、都合が悪くなったら逃げたり取り分をかっさらっていったりする人っていますよね。