2003年リリースの13thシングル
『君が追いかけた夢』の世界観
オリコンランキングの第2位にランクインした『君が追いかけた夢』。
疾走感のあるロックチューンで、明るく歌われるこの曲の世界観とは一体どのようなものなのでしょうか。
簡単にいうと、夢のお話です。
しかし、この曲においてはその夢も2種類出てきます。
寝るときに見る「夢」と、将来の夢などで使う「夢」です。
英語で表記したとしても、どちらも「DREAM」になるほど、このふたつの言葉に垣根がありません。
それをうまく交錯させながら展開しているのがこの曲の魅力です。
別に寝ている時の夢を絡めずに、将来の夢だけの曲でもよかったのかもしれません。
しかし、それでは綺麗にまとまりすぎる…。
そこで、寝ている時の夢を絡めたのでしょう。
これによって、ストーリー性が増し、深みが出てきました。
では、そんな深いストーリーを紐解いてみましょう!
過去への回想
夢に現れた懐かしい顔ぶれ
懐かしい夢を見た
あの頃は寄り添うように
溢れる孤独をみんなで分かち合って
出典: 君が追いかけた夢/作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.C
まずは冒頭の部分。
歌い出しは、懐かしい夢の話から始まります。
この歌詞から、1対1の会話ではないということがわかります。
同じ目標に向かって突き進むものではなく、あくまでもゆるく集まったメンバーなのでしょう。
どこかで溢れたメンバーが、身を寄せ合うように集まってきた。
そんな中のひとりが主人公だったのです。
夢の中で見つけた「大切なもの」
大切なものが何かと
気づいたときには遅すぎて
過ぎ去った思い出はいつも眩しすぎて
出典: 君が追いかけた夢/作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.C
そんなメンバーで過ごす時間の中で、主人公は「大切なもの」を見つけたのです。
しかし、当時は全くそんな自覚もなく流れるようにすぎる毎日。
輝かしい思い出の中で改めて思い返した時、その「大切なもの」の存在を再認識しました。
主人公が気づいた「大切なもの」とはいったいなんだったのでしょうか。
そっと背中を押すから
「大切なもの」の正体とは
もしも君が泣きたいくらい傷ついたら
そんな時には涙が涸れるまで歌ってあげる
出典: 君が追いかけた夢/作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.C
主人公の「大切なもの」に迫るBメロの部分です。
正体は「君」でした。
主人公は、身を賭して「君」に尽くそうとする思いが伝わります。
しかしこのことに気づいたのは夢の中。
懐かしいメンバーと一緒にいた頃の夢を見ているときに気づいたのです。
夢の中は本心に近い感情が露呈することが多々あると思います。
この主人公は昔の夢を見ている時に、その時の感情を素直に再現し、思い出してしまったのです。
しかし気づいた頃には、時すでに遅し…。
現実の主人公の前に「君」はいません。