賭けの結果

前半の歌詞で、女性は賭けと呼べるようなことをしました。

種類は違えど、「賭博黙示録 カイジ」のギャンブルのようなスリリングさです。

歌詞では女性はそれを楽しんでいるようにも、必死であるようにも読み取れます。

相手に要求混じりなことをした彼女の勝敗はいかに?

そしてそこに隠された彼女の想いとは何なのでしょうか。

結果は勝利

囁きかけて 喉を塞いで 少し焦らして 虚ろな目で感じて
待ちわびたShow time 弾は一発ルーレット 狙い定めピストル咥え
とけるまで kiss!

出典: ピストル/作詞:林保徳 作曲:林保徳

結果は…どうやらうまく持っていけたようです。

敢えて嫉妬させるようなことを言って、自分の望む方向に相手を動かすとは…。

計算が上手な、なんとも勝気な女性なように思えます。

相手がそういったことに乗りやすいタイプの人で、それを分かっていたのでしょうか。

それにしても相手にはあれこれ不満を言っておいて自分のことは良いのか、と思う人もいるかもしれません。

たしかに、そう考えると女性がちょっと身勝手に思えてしまいますね。

しかしどんなに好き合っているカップルでも、駆け引きが必要なことってあるのではないでしょうか。

それをすることで、互いが互いを愛していることを感じることができるのです。

どちらかあるいは両方が、ちょっと気が強いとそうなるのでしょう。

逆にほのぼのとした平和なカップルだと、それは少ないかもしれませんね。

その先に

Let’s Get out Dance!
Crazy! I have nothing!
Baby! 止まんないで!
灼熱を詰め込んで ロシアンエクスタシー 発射(だ)して!
Crash me! I’m coming! My soul!
Break out! 突き裂いて!
快楽という痛みで 強がりさえも撃ち抜いて Bang!

出典: ピストル/作詞:林保徳 作曲:林保徳

ここからサビになります。

言葉からとても激しい雰囲気が伝わってくるでしょう。

4行目の「エクスタシー」とは、「我を忘れている」状態のことです。

リボルバー銃でやるロシアンルーレットとかけているのでしょうか。

今までとは違ってさらに抽象的な単語が並んでいますが、ここにこそ女性の本心があるような気がします。

相手に対して「ちょっとさあ!」と思うことはあるのです。

それは別としても、彼女は今の相手に満足できますし、まさに今しようとしている。

だからわざと嫉妬させたりして、相手に力ずくな愛を伝えさせようとします。

その力強さは強引さでもありますが、実感を伴うので受けた方はむしろ安心するのかもしれません。

少し遠回りにはなりましたが、この歌詞はその愛を伝えられたまさにその状態です。

これは強い薬のようなもので、効くと正気ではいられなくなります。

すると、途端に言葉も短くなったり抽象的になったりするのでしょう。

ピュアというよりは…

「ピストル」の歌詞を見てみましたが、ラブソングにありがちな甘酸っぱさはありませんでした。

初々しいのではなく、さらにその先のステージにいる感じがします。

元カレを匂わせる発言をしているので、初恋でもありません。

歌詞の雰囲気は聞いていてキュンキュンするような歌詞ではありませんが、逆にリアルに感じます。

過去に色々な人と付き合ってきた人なら、特に共感しやすいでしょう。

リアルなカップル模様

経験したことがある人なら尚更、「ピストル」の歌詞は現実感があるように思えます。

少女漫画のような甘くてほろ苦い雰囲気より、こういうものを求めていたという人も多いかもしれません。

「不満混じり…でも恋人」という、ネガティブな気持ちとポジティブな想いが入り混じった関係。

人はなかなか他人に対してポジティブ一辺倒にはなれません。

こうした暗い感情も表現されている方が、聞く人は「あるある」と頷けるのではないでしょうか。

「ピストル」から見える女性の本当の想いとは?

歌詞中では、女性がひたすら相手に要求しているような言葉が並びます。

それは相手のことが好きだからでしょうか?

結論から言うと「ピストル」の歌詞からは、女性が相手のことを心底好きかどうかは判断しづらいです。

というのも、この2人は漫画にあるような常時「好き好き大好き」という関係ではないから。

大人同士のカップルは思春期のそれとは違い、色々な思惑が混ざっていることがあります。

「一緒にいるだけで幸せ」ではなく、その先を求めるのです。

そもそも恋をしていない、相手のことがそれほど好きではないのにそういう関係という不思議な間柄も。

とても複雑で、なんだか難しい事情ですね。