「貴方」が教えてくれたこと
確かなものなど無いと言った
言葉はなくとも「愛」と言った
その目はいつでもどこを見ていた?
それでも私はすがりついて
あのアスファルトに 這って泣いた
二人の春はもう 過ぎ去ったの知ってたのに
出典: 春/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
ここでは主人公が「貴方」に教えてもらったことが2文に渡って綴られています。
それは愛の言葉がすべてではなく、変わらないものなどないということです。
何故なら「貴方」が主人公にくれていた愛の言葉は嘘だったから。
そして、永遠だと思っていた2人の恋も呆気なく散ってしまったからです。
自分だけ信じていた恋。
主人公はいつから「貴方」が浮気をしていたのだろうと、考えても仕方のないことを反芻します。
そして、どうしてそれを知りながらも「貴方」を嫌いになれないのだろうと自分自身も責めてしまうのです。
恋の終わり
「貴方」がした浮気の結果、終わった恋。
Cメロと締めのサビでは、裏切られた主人公の心情が綴られています。
しかし、ただ恨みつらみの気持ちが込められているわけではありません。
主人公のあまりにも切ない心情にきっと、胸が締め付けられるでしょう。
それでは続けて、解説します。
花のように散りたい
他の誰かに触れるその右手で この心抱かないで(汚らわしい)
私の為に涙流せぬなら 好きだなんて言わないで
綺麗な花びら 花になりたかった
さすればきっと この心もっと
美しく舞い散れたのに...
出典: 春/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
「貴方」が浮気をしていることを知ってもなお、黙って見て見ぬ振りをしていた主人公。
それだけ「貴方」のことを愛していたのです。
しかし、ここの1文目では主人公がどこかで「貴方」に対する拒絶心を持っていたことがわかります。
まだ一緒にいたい。でも「貴方」を心から信用することもできない…。
浮気された経験のある人なら、この気持ちがよくわかるのではないでしょうか。
けれど、そうなってしまったら恋はもう終わり。
主人公も別れを少しは決意していたのだろうと想像できます。
少しずつ枯れてしまう花のような2人の恋。
それでも1つだけ花とは違う点があります。それは、「終わり方」。
花は綺麗な最期を迎えられても、主人公は「貴方」を憎んで恋を終わらせることしかできないのです。
欲しくなかった幸せ
ねぇ
帰る場所を用意してるままで好きだなんて
言わないで(信じたのに)
私の為に涙流せぬなら 好きだなんて言わないで
初めから言わないで...
出典: 春/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
花のように綺麗に散ることのできなかった2人の恋。
主人公の心情は、歌詞の最後まで切なく描かれています。
浮気されても諦めきれないほど好きだった「貴方」。
もちろん幸せだった時もありました。
それでも主人公はこんな思いをしてまで、幸せが欲しくはなかったのです。
苦しむくらいなら2人の恋の花を咲かせてほしくなかった…。
「貴方」に愛の言葉をもらいたくはなかった…。
【春】はそんな主人公の切ない心情を描いた作品でした。
ライブ映像で歌われた【春】
それでは、実際に今回ご紹介した【春】を聴いてみましょう。
この映像は2012年に開催された「阿部真央らいぶNo.4」での模様です。
赤と黒を基調とした照明の中、【春】を歌い上げる阿部真央。
生音だけにより歌詞の切なさが胸に響きます。
また、阿部真央はファンから「こんなにライブで上手く歌える歌手はいない!」と話題。
実際にライブに行ったことがない人も、この映像を見ると彼女の歌唱力の高さに驚くことでしょう。
ぜひチェックしてみてください。
恋人に浮気をされた時に聴きたい楽曲
恋人に裏切られることは、何よりもショッキングな出来事。
1人でいるのも辛い、けれど、友達に聞いてもらうこともできない…。
そんな時には辛い気持ちに寄り添ってくれる曲を聴きたいものです。
それでは、最後に「浮気」がテーマになっている楽曲をいくつかご紹介します。
ここでご紹介した楽曲を聴いて、ぜひたくさん泣いてください。
そして、また前を向ける日が来ますように。