ビジュアル系バンド初期の名曲

DIR EN GREY【Ash】歌詞の意味を徹底解釈!何に囚われている?「此処」に留まる理由とはの画像

1997年のデビュー以降、日本だけでなく世界中で大活躍しているバンドDIR EN GREY

ビジュアル系シーンを引っ張るバンドでもあります。

今回はそんな彼らが活動初期に発表した楽曲Ash】をご紹介しましょう。

20年で4回のリアレンジ

この楽曲が発表されたのは1997年

アルバムBehind The Mask〜SOL'FINSTERRE VOL.2』に収録されたのが最初でした。

その後リアレンジされ、以降リリースされたシングルにもカップリング曲として収録されています。

2018年までに4度のレコーディングが行われましたが、それほどまでに思い入れが深い楽曲であることが窺えますね。

ちなみに今回ご紹介するのは、2018年にリリースされたバージョン。

29枚目のシングル人間を被る】に収録されたもので、歌詞も当初から大きく変更されています。

テーマは?

DIR EN GREYの楽曲の魅力といえば、やはり規制ギリギリの過激なテーマを扱っていることでしょう。

結成当初から「痛み」がテーマだった彼ら。

今回ご紹介する【Ash】にも、人間が感じる心の痛みが綴られています。

生きていれば誰もが1度はぶつかる壁かもしれません。

正論が常に正義なのか?常識が常に正しいのか?多数派が正解なのか?

そういった問題に直面した時に感じる心の痛み、そしてそこへの向き合い方は人それぞれでしょう。

彼らはどのようにその痛みと向き合うのか…。彼らの歴史も交えながら解説していきましょう。

夢と現実

甘くない夢

浮き立つ運命に首を括る
秒を読むその先に
闇と光で頭破裂
現実と変わらない。

出典: Ash/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

この歌詞における語り手はおそらく「大きな夢挑もうとしている人」でしょう。

叶えたい夢に対して人は、様々な道を想像します。

しかし多くの人が抱くのは「夢が叶えば苦しい現実から解放されるだろう」というイメージではないでしょうか。

現実=ネガティブであり、夢=ポジティブである。このような明確な線引きがあるように感じられます。

歌詞中でも同じく対比表現が登場していますね。

1行目、浮き立つとは嬉しさや喜びで落ち着かず、フワフワした心地のことを指します。

しかしそんな幸せがなぜか、息を止めようと首にまとわりついているようです。

また3行目ではよりイメージしやすい言葉で表現し、その差が明確に伝わってきます。

同じフレーズ内で対照的な表現をするのは、それらに大差がないことを意味しているのではないでしょうか。

夢追い人に対して同時に降りかかってくるもの。そんな意味にも捉えられそうです。

これらの状況をすべてひっくるめて、4行目で夢と現実の差を再度確認しているようにも感じられますね。

苦しい現実

息をしても許されない
正論とは何かを犠牲に成り立つもの?

出典: Ash/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

1行目は先程引用した歌詞「首を~」の流れを汲んでいるのでしょう。

ここでの呼吸が意味するものは、「夢を叶えるためにとった行動」だと考えられます。

夢追い人たちはその行動をまるで呼吸するかのように自然と、そして当たり前のように取るでしょう。

しかしその行動は何故か否定されてしまう。

自分が夢を追えないことからくる妬みなのか、現実主義なのか、それはわかりません。

しかしそんな否定的な人は必ず一定数現れます。

2行目の疑問はそんな一定数の人たちへ向けた、夢追い人たちからの問題提起なのでしょう。

それでも此処を選ぶ理由

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誰かに笑われようとも此処に居る
私は私

出典: Ash/作詞:京 作曲:DIR EN GREY