後ろは向きません!
前向きソングの代名詞
「三百六十五歩のマーチ」、漢数字の365が時代を感じさせます。ひたすら前を向いて歩く歌。
リリースされたのはなんと50年前。歌の歴史と背景を追ってみます。
「三百六十五歩のマーチ」は、1968年(昭和43年)11月10日に発売された水前寺清子の23枚目のシングル。題名の通り一日一歩ずつ歩み続ける人生を励ますマーチ(行進曲)調の曲である。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/三百六十五歩のマーチ
水前寺清子さんといえば演歌。演歌の必須アイテム、こぶし回しに定評があります。
ところがなぜか、演歌とは真逆に位置するジャンルのマーチを歌うことになってしまいました。
こぶしを効かせたマーチは、パワーチャージもガッツリ出来そうですね。
でもこの歌に出会った当初、水前寺清子さんはこんな思いを抱いていたのです。
楽曲提供を受けた当初は演歌歌手としてヒット曲を連発したプライドから英語の「ワンツー」という歌詞がある本曲に「冗談じゃない。わざとイメージに合わない曲で私を辞めさせる気だ」と疑心暗鬼になったという。不本意ながらリリースした楽曲であるが、高度経済成長の時流にマッチし、100万枚を越える売り上げで、水前寺の最大のヒット曲にして代表曲となった。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/三百六十五歩のマーチ
ベリーショートに煌びやかな着物で歌う演歌から、バトントワラーを思わせる衣装へのチェンジは衝撃的。
帽子を見るだけでも、コスプレと言われちゃうレベルの変身ぶりでした。
でも演歌だけど前向きなスタイル・湿度のないカラッとした声・お墨付きの歌唱力で歌の人気は右肩上がり。
子供から大人まで知らない人はいない、大ヒット曲になりました。
『前向き』『背中を押す』というワードが無かった時代です。
50年後の現代に応援ソングとしてよみがえりました。
頑張り過ぎには注意が必要ですが、負けない気持ちで続けることも時には必要。
歩みを止めない三百六十五日、水分補給を忘れずに歩き続ける第一歩を踏み出します。
歩けます、目的があれば
自分から動こう
しあわせは 歩いてこない
だから歩いて ゆくんだね
出典: 三百六十五歩のマーチ/作詞:星野哲郎 作曲:米山正夫
パワーある歌い出しの歌詞です。一歩目を踏み出す勇気をくれる言葉が並びますね。
自ら動かなければハッピーにはなれない、幸運にも出会えません。
ボーっと立っていても、幸福が自分に向かって歩いて来ることは無いと教えてくれました。
だから歩き出すのです。歩き始めましょう、どこかにある幸福をみつけるため。
3-2=1だから歩みは一歩ずつ
退却も前進?
一日一歩 三日で三歩
三歩進んで 二歩さがる
出典: 三百六十五歩のマーチ/作詞:星野哲郎 作曲:米山正夫
焦ることはありません。歩みを進めるのは一日にたった一つ、一つ前に進むだけでいいんです。
ここでは、ムリすることなく一日一日を重ねて行けばいいことを教えてくれますね。
でも絶対に何か起こらないという保証はありません。そんな時は、一旦立ち止まれば良いと言ってくれました。
立ち止まった所から戻っても大丈夫、退却ではありません。
三日かけてやっと進んだ三つ目から戻ることになってしまった…。
しかも二つ戻ることになってしまったので、一つ目からのリスタートです。
そこからまた強く歩き始めれば、戻ることを『後ろ向き』とは言いません。
韻にも注目
人生は ワン・ツー・パンチ
汗かき べそかき 歩こうよ
あなたのつけた 足あとにゃ
きれいな花が 咲くでしょう
出典: 三百六十五歩のマーチ/作詞:星野哲郎 作曲:米山正夫