RADWIMPS『絶体絶命』の盤面には〇〇と書かれていた！？野田洋次郎がこのアルバムで伝えたかった事

君と出会えた喜びは、RADWIMPSの野田の大きなテーマです。

でも過去になってしまった君との日々について思い返しているような歌ですね。

もともと男性と女性というふたつがひとつになって生まれる人間。

だから生まれることは二度目の離れ離れだから、またすぐに出会えると、ポジティヴに歌っています。

フォークソング調の歌で携帯電話で繋がる自分たちの心情を歌っています。

かつては手紙や直接のやりとりでコミュニケーションをとっていた人間が、携帯というものにどれだけ寄りかかっているか思い知らされる歌ですね。

音楽を苦しみながら続けてきた喜びが歌になっています。

彼らが創造に創造を重ねてきた音と言葉が、しっかりと彼らに自信を与えているような歌ですね。

彼らが歌う"億万笑者"とは何か？

ぜひ聴きながら考えてください。

君と出会えて救われた気持ちを、救世主として表現した歌。

アルバムの最後を締めくくるバラードです。

君という存在に対する感謝が響きます。

アルバムのシークレットトラックである「ツクツク法師」で歌われているように、とっ散らかった印象もある『絶対絶命』。

聴く者の心を混乱させる清濁を飲み込んだようなアルバムだと思います。

初期のRADWIMPSから続く、君に対する愛の表現は薄らぎ、現実や悲しみ、孤独といったよりリアルな世界観が立ち上がりながら、でも君という人間がいたから救われているという真実が響いているように思います。

世界の残酷さや人間の醜さが響けば響くほど、君という愛を与えてくれる存在が際立ち、愛を求める人間存在が浮かび上がります。

『絶体絶命』という苦しみの意味と、『糸色(いとしき)体(からだ)糸色(いとしき)命(いのち)』というふたつの意味がこめられたこのアルバムは、君という命の不在が、逆に愛しい存在を浮かび上がらせるというメッセージなのではないでしょうか？

絶対絶命のピンチだから浮かび上がる愛しい命。

命というものの大切さが逆境の中で響いています。

RADWIMPSは前作『アルトコロニーの定理』で大きく飛躍し、このアルバムでさらに凄さをみせつけています。

また映画『君の名は。』の劇伴と主題歌を担当し、さらに上のステージへ駆け上がっています。

初期がそうであったように、このアルバムもこの時のRADWIMPSだから生み出すことができた唯一無二のサウンドを繰り広げています。

そのすべてを理解できたとは思いませんが、ひとつひとつの言葉や音に驚きながら、何度も噛みしめることができるアルバムだと思います。