アニメ「無彩限のファントム・ワールド」のオープニング「Naked Dive」
「Naked Dive」はアニメ「無彩限のファントム・ワールド」のオープニング曲。
MVはショートバージョンのみですが公開されています。
歌うのは太田雅友さんと、声優の勇-YOU-さんの音楽ユニット「SCREEN mode」。
「Naked Dive」は弾けるような明るい曲調と、前向きかつちょっと刺激的な歌詞が特徴的な曲です。
「無彩限のファントム・ワールド」も男性向けのコメディ要素を含んだ作品で、それに合わせているのでしょう。
「無彩限のファントム・ワールド」について
「無彩限のファントム・ワールド」の原作は学園もののライトノベルです。
2016年にアニメが放送されました。
「Naked Dive」はかなり明るい曲であり物語もコメディ要素が多いものの、時代背景はかなりシリアスです。
作品世界の21世紀に起こったテロにより流出した特殊なウイルス。
これが引き金となり、人間の脳は突然変異を起こします。
脳構造が変わった人間は、今まで幽霊や妖怪という目に見えない存在を誰でも認識できるように。
この幽霊や妖怪を人々は「ファントム」と呼び、人間に危害を加える彼らとの戦いが始まります。
また突然変異の影響からか、子供の中にはファントムに対抗できる特殊な能力を持つ者も現れました。
この物語の主人公・一条晴彦と3人のヒロインもその能力者の一人。
彼らは楽しい学園生活を送っていましたが、ある事件を境に世界の真実を知ることになります。
限界無き先にあるもの
ありのままの姿でダイブ!
Noside blue Dive into Deep
Naked Dive!
出典: Naked Dive/作詞:勇-YOU-・松井洋平 作曲:太田雅友
少し聞こえづらいですが、前奏でこのようなイントロが流れています。
このイントロ文はいったいどんな意味なのでしょうか?
最初の「Noside」は英語ではなくポーランド語で、ラグビーの用語としても使われる単語です。
そこでは「試合終了」という意味ですが、ここでは意味が通じません。
「Noside」は英語の「No」と「side」を合わせた言葉として考えてみましょう。
すると考えられる和訳は、「際限のない深い青(の海)へと飛び込む」。
2行目はこの曲のタイトルでもあります。
「Naked」は「はだか」という意味の英語です。
意訳すると「ありのままの姿で飛び込む」というニュアンスでしょうか。
日常に蔓延るウソ
いったい何が正解なんだろう? タイムラインに咲き乱れるFAKE
[What is reality?]絶望や歓喜なんて駆け抜けるだけのただのMirage
出典: Naked Dive/作詞:勇-YOU-・松井洋平 作曲:太田雅友
1行目の単語は「フェイク」で、「ウソ」や「ガセ」のこと。
今日のSNSもそうですが、私たちが目にする情報にはウソ(フェイク)が溢れています。
歌詞にあるような「どれがウソでどれがホント?」という疑問は、誰でも持っているものでしょう。
2行目の単語はよく日本語でも使われる「ミラージュ」で、「蜃気楼」のことをいいます。
たしかにウソがもたらすものって、幻しかありません。
本物と違って、どんなに熱狂しても後には何も残らないからです。
情報社会の中でなんとなく過ごす日々
溢れるインフォメーション 揺らいでるノンフィクション
赤い冷静 青い情熱 曖昧な審判(ジャッジ)
見透かしちゃうジーザス飼い馴らし 無関心ヴィーナス気取ってる
迷走幻想Highway…Seek your way!
出典: Naked Dive/作詞:勇-YOU-・松井洋平 作曲:太田雅友
英語だけでなくカタカナも多用された歌詞ですが、よく見ると日常のことを述べています。
刺激だらけの世界は、逆に人の思考を鈍らせてしまうもの。
そんな今日の世界で、ぼんやりと過ごす日々を歌っているのでしょう。
3行目の「ジーザス」はイエスキリスト(神)のことで、「ヴィーナス」は美の女神。
さらに興味深いのが2行目の歌詞です。
赤というのは一般的に情熱的な色であり、青はクールな印象を与えるイメージが強いのではないでしょうか。
それをあえて逆にしているのが、世界の混沌さを表しているように思えます。
4行目最後の英文は、簡単に訳すと「自分の道を模索しろ!」でしょう。