ぶっちゃけ大好き 顔がいいから大好き
有名だから大好き みんな好きだから大好き
君の性格大好き よく知らないけど大好き
出典: ラヴィット/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
ここでは好きな対象を好きな理由を述べています。
しかし、その理由はどこか表面的なものばかり。
顔がいいとか、有名だからとか、薄っぺらい理由ばかりが並んでしまっています。
これが、周りに合わせてしまう弊害なのです。
挙句の果てには、「みんな好きだから」や「よく知らないけど」というものまで登場。
つまり、好きな対象についてはほとんど見えていないのです。
これで本当に、それが好きだと言えるのか。
これが、偽りの愛の正体なのかもしれません。
痛みを欲しがる理由
どうぞ もっと痛くしていいよ
I love it 味のない キャロット美味しく頬張り
I love it 自分のいない 月を見上げ幸せそうなラヴィット
出典: ラヴィット/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
ついに主人公のウサギは、痛みを欲しがります。
その理由は、「自分が生きていると実感したいから」だと推察できます。
周りに流されて、自分らしさを見失ってしまったウサギ。
そんな中で虚無感が芽生え、生きていると実感できなくなってしまいました。
そこで痛みがあることで、自分が生きているという実感を得ようとしていると推察できます。
痛いという感情があることでしか、自分を実感できない悲しいウサギ。
好きでもないものを好きだと言うしかないウサギは、やはりか弱い生き物と言えます。
ウサギに羽はない
愛している自分が好き
ほんとに大好き スタイル良いから大好き
才能あるから大好き 金持ってるから大好き
君のすべてが大好き そんな自分も大好き
出典: ラヴィット/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
この部分も、好きな理由が書かれています。
しかし、やはりその理由はどこか薄いものばかり。
スタイルの良さや、才能、お金持ちだからという表面的なものが並んでいます。
その中でも、「そんな自分も大好き」という部分に注目。
そんなに好きでもない人や物を好きと言っている自分も好きという、自虐的な部分です。
このウサギは他者に迎合することが目的なので、その目的は十分に果たせています。
目的を果たせているという部分が、自己肯定感に繋がっていると考えられます。
月とウサギの関係
どうぞ無茶苦茶にして欲しいの
I love it 恥のスパイス 苦いシロップを舐め取り
I love it ありもしない 羽を広げ 夜空へ落ちてったラヴィット
出典: ラヴィット/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
このウサギは、夜空へと落ちています。
つまり、このウサギは月から落ちていったのです。
ここでいうと月とは、言わば「自分が憧れていた姿、場所、あるいは人」のようなもの。
そうしたものに近づくのではなく、遠くから眺めるという生き方を選んだのです。
理想の姿になることを放棄し、何となく他者に迎合しながら生きる。
寂しがりのウサギにとって、こう生きる方が「生きている」と実感できるのです。
もはやこのウサギに、月に帰るという選択肢はないのでしょう。
このような構図を、月とウサギを使って表現していると推察できます。
ウサギと「あなた」
偽りの愛の中で見つけたもの
あなたを信じていいかな?
泣き腫らした赤い目で 偽の愛に病む その度に
甲斐甲斐しく「生まれてきてよかった。」と
出典: ラヴィット/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
虚無感に生きる中で見つけた「あなた」。
他の人が好きだからという理由ではなく、自分がやっと見つけた本当に好きな人。
そんな人に出会えて、「生まれてきてよかった」と言いたい。
ウサギはずっと隠していた気持ちを、さらけ出せる人に出会えたのでしょう。
ウサギはやっと、自分らしさを取り戻し始めようとしています。
他の誰でもない、「自分」が心から好きだと言える人を見つけたことで。
もう偽りの愛に悩みたくない。
心に傷を負ったウサギの悲痛な思いが、この部分から読み取れます。
か弱いウサギからの脱却
胸を張って言えないけど この想いを伝えるために
I love it あなたを信じていいかな?
I love it 一生か弱いウサギでいいの?
出典: ラヴィット/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー