掴んだ手をずっと離さないで
(歩み出して連れ出して)
踏み出した足 戻らないでよ
(あの日だって あの日だって)
出典: 夜はモーション/作詞:櫻井健太郎 作曲:櫻井健太郎
夢を誓ったあの子の存在というのは、やはり主人公が前へ進む原動力になっていたのでしょう。
「踏み出した足 戻らないでよ」という言葉は、進みたいのに進めなくなってしまったことを感じさせます。
進めなくなってしまった今、原動力になっていたはずのあの子との思い出に必死にすがる…そんな姿が浮かんできますね。
思い出が主人公にもたらしたものは
刻み込んだ 僕らの願い
暗がりの中で瞬いた
見つけたんだ小さな光を
掲げて空に解き放つよ
出典: 夜はモーション/作詞:櫻井健太郎 作曲:櫻井健太郎
この部分はきっと、1番で登場したあの子に夢を誓ったそのときの描写でしょう。
自分はそれを叶えて見せると誓って、そのときはこの先の未来がきっと輝いていると思えた。
自分のやりたいことが見つかったときというのは、まさにそれぐらいの希望を感じるものです。
「小さな光」という表現がまた言い得て妙。
まだ実現してはいないけど、見つけた気がする…つまり輝いている気がするという感覚を上手く言い表していますね。
小さな光は失われてしまった?
どこではぐれたんだ僕と心
笑い声と後ろ姿
走りだした あの日の僕
君を探していた ほら
出典: 夜はモーション/作詞:櫻井健太郎 作曲:櫻井健太郎
それが今となってはどうしたことか、輝いているどころかすっかり希望を見失ってしまいました。
希望に満ち溢れた、楽しそうに笑い声を上げる2人の後ろ姿。
原動力となっていたはずのあの日の思い出を繰り返し過らせる主人公ですが…。
希望を取り戻した主人公
あてのないまま散ってく未来なら
(歩み出して 連れ出して)
いっそあがいてやろうぜなあ 届くまでさあ
(何度だって 繰り返して)
泣いてしまうような2秒後の世界
(歩み出して 連れ出して)
霞んで見えるくらい それでも歩け
(あの日だって あの日だって)
出典: 夜はモーション/作詞:櫻井健太郎 作曲:櫻井健太郎
ここに来てようやく、その思い出が主人公に希望を取り戻させ始めました。
自分の生きる道がこれで正しいのかなんて誰にもわからないこと。
何が正しいのかわからないのなら、例え間違っていたとしても思った道を突き進むべきではないか。
そんなことを感じさせるこの言葉から察するに主人公は、やりたいとは思いつつもそれを叶えられる自信がなかったのでしょうね。
「泣いてしまうような2秒後の世界」とありますが、それぐらい人生というのは何が起こるのかわからないもの。
そして何が起こるかわからなくても、起こったことなど自分が強く意志を持っていれば大して関係のないことです。
そう思い直して主人公は強く歩み出す。
この部分からはそんな印象を受けました。
もう迷いはない!
頭の中で繰り返してんだ
見え透いた正解 不正解
消せぬ過去もちぎって火を焚け
この世で生きぬくために夜へ 飛び込もうぜ
出典: 夜はモーション/作詞:櫻井健太郎 作曲:櫻井健太郎
そう、主人公は頭の中で何度も自問自答を繰り返してきました。
正解はいつも見えていたはずなのに。
やるべきことはわかっていたのに、彼はただ本当に叶えられるのかを恐れただけでした。
でもそんな風に恐れていたことだって、踏み切ってしまえばもう過去のこと。
そんな過去すらも踏み台にして飛び越えていこうという気持ちがここで表されます。
「夜へ飛び込む」というのは、先が全く見えない世界へ飛び込むといったところでしょうか。
自分が挑戦しようとしているのは全く先が見えない世界。
しかし、ふっきれた今の彼はそのことすらもワクワクしているように映ります。
あの日確かに光ったのだから
掴んだ手をずっと離さないで
(歩み出して 連れ出して)
踏み出した足 戻らないでよ
(あの日だって あの日だって)
泣いてしまうような2秒後の世界
(歩み出して 連れ出して)
光ったのなら その最後まで
(あの日だって あの日だって)
出典: 夜はモーション/作詞:櫻井健太郎 作曲:櫻井健太郎
「光ったのなら その最後まで」という言葉があります。
そう、夢を誓ったあの日を振り返ってみれば確かに主人公には光が見えていたのです。
そのとき光ったのなら、その道に間違いはないはず。
光ったという事実が、自分の進みたい道だということを何より物語るのですから。