本当はずっと一緒にいたい
主人公はどのように自分の心が変化していったのか、記憶を辿ります。
この苦しい恋愛に陥った原因は誰にあるのでしょうか?
垣間見えるすれ違い
ねぇ ほんとに
今日くらいはさ
ねぇ起きてよ
映画くらい一緒にみようよ
もう どっかに行かないでよ
って 願っていたのは
僕の方なんだ
確かに間違いなく
この部屋にいたのは
2人だったの
出典: 今日くらいは/作詞:上野ハユネ 作曲:上野ハユネ
先ほど君に見えないように涙を流していました。
今、主人公と君はデートをしています。
デートに誘ったのは主人公です。
「かまってほしい」という気持ちが伝わってきますね。
引っかかるのが、タイトルでもある「今日くらいは」という言葉。
なぜ「くらい」と限定しているのでしょうか?
最後の2行から、2人は同棲状態であることが推測できます。
そして、外でデートする機会が減ってしまったのではないでしょうか?
同棲カップルのあるあるですね。
確かに好きだし一緒に暮らすのも幸せ。
だけど、ずっと家で顔を合わせていたらドキドキ感は薄れてきた。
そんな背景なのかもしれません。
やるせない気持ちの理由は?
呆れる心さえも
もう消えなくなってく
僕はそれが嫌だった
分かりたかった
でも一度も君の心が
分からなかった
似た者同士のはずなのにな
出典: 今日くらいは/作詞:上野ハユネ 作曲:上野ハユネ
本当は付き合いたての頃のようにデートを楽しみたいのに…。
そんな不満を何度も抱えたのでしょう。
不満が湧いても「好き」という気持ちで心のバランスを保ってきました。
今はというと…。
段々と「好き」ではなくなり、不満が勝ってしまったようです。
できれば彼の考えを理解したかった。
不満なんて湧いてほしくなかった。
でも主人公は、自分の感情を上手く整理できませんでした。
歌詞の中の「心」というのは「愛情」というニュアンスに近いと思います。
君からの「愛情」が実感できなかったのでしょう。
一方的に「好き」でいるのはとても辛いこと。
無理を重ねた結果、主人公は心を消耗して「愛情」を失ってしまったのだと思います。
根本には、分かり合いたかったのにできなかったという悔しさが燻っているのでしょう。
変わったのは僕
君は変わったって 悲しくなって
でも変わったのは 君じゃなくて、
傷ついたって悲しくなって
でも傷ついたのもそうじゃなくて、
君からは?って求めすぎて
でも変わったのも
結局のところはさ、僕だったんだね
出典: 今日くらいは/作詞:上野ハユネ 作曲:上野ハユネ
かまってくれない君は、付き合いたての頃と変わってしまった。
そう思い悲しくなった主人公。
でも、よくよく考えると変わったのは自分でした。
最初から無理をしていたのです。
無理に彼を「好き」であり続けたのです。
このフレーズからは、主人公がひたすら空回りしている様子が読み取れます。
たくさん考えを巡らせたけど、結局は自分の愛情が冷めたから辛さしか残らないだけ。
そう分かっているのでしょう。
すれ違いは加速する
次々と溜め込んだ不満が溢れだします。
恋愛感情が消えていくまでの過程をさらに辿りましょう。
恋人らしい会話がしたかった
話したいのは 今日くらいはさ
ギターの話じゃなくて
音楽の話でもなくて
今日くらいはさ
くだらない話でもしようよ
出典: 今日くらいは/作詞:上野ハユネ 作曲:上野ハユネ
先ほど「似た者同士」という表現がありました。
2人は「音楽」という共通点を持っていたようです。
同じ価値観を持ち意気投合、そして付き合うに至ったのでしょう。
そして、2人の会話の内容は「音楽」に関することばかりでした。
でも、主人公は恋人らしい何気ない会話を求めていたようです。
こうした些細なところで心が通い合っていなかったのですね。