天が二物を与えた「米津玄師」
世の中には「なんでもできる人」がごく稀に存在します。
何をやっても、その人のカラーがにじみ出て、その人自身のものにしてしまう。
米津玄師という人は、そうしたマルチプルな才能を持った代表的な存在と言えるでしょう。
才能の宝庫
宅録アーティストだった時代。美術を学びながらバンドを組んでいた時代。
今や有名な初期名義「ハチ」。この名が知れ渡るきっかけとなったボカロプロデューサーの時代。
それらを経て、シンガーソングライター・米津玄師としてデビューしたのは、2013年でした。
その後の活動は音楽だけにとどまらず、イラストレーターとして単行本「かいじゅうずかん」を発売。
デジタル、アナログ、音楽、美術と幅広い分野で活躍を続けています。
「ディスコバルーン」を深読み!
今回は、ハチから米津玄師名義へ転換した後の作品「ディスコバルーン」をご紹介します。
歌詞の幕開けである「嫌い」という言葉のストレート加減に驚いた方も多いのではないでしょうか。
そんな「ディスコバルーン」の歌詞に埋め込まれた毒素を徹底的に抽出!
楽曲情報にも触れながら、めまいがするほどネガティブな世界にお連れします。
「ディスコバルーン」の楽曲情報
アルバム「diorama」で米津玄師の声を知る
米津玄師の1stアルバム「diorama」は、彼がまだインディーズで活動していた時代に発売されました。
ボーカロイドを駆使した楽曲を多数発表していた米津玄師が、自らの声で自らの曲を歌う。
「スゴい人はやっぱりスゴいんだね!」と聴く者の語彙力を奪う魅力的な歌声が知れ渡りました。
アップテンポで転げ回るような「ディスコバルーン」
こちらの動画ではアルバム「diorama」の収録曲が紹介されています。
2分46秒付近から「ディスコバルーン」のサビ部分が試聴可能です。
(米津玄師の公式動画ですが、動画中の曲名記載が「バルーンディスコ」と誤記されています)
ドラムが刻む変化に富んだリズムに追いかけられるようなこの曲。
疾走感よりも「切迫感」という表現が適切かもしれません。
それでは、前へ前へと背を押される「ディスコバルーン」の歌詞を紐解いていきましょう。
嫌い、嫌いもなんとやら?
「ディスコバルーン」の作詞・作曲はもちろん米津玄師本人です。
冒頭から「嫌い」が4回!