学校帰りいつもの仲間と
共に向かう先には秘密基地
ガラクタ集めただそれだけで
少し大人びた気持ちを感じた

出典: 少年が故の情熱/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

誰もが秘密基地を作ったわけではないと思います。

しかしやはり子供の発見の象徴。

映像が簡単に浮かんできます。

使わなくなった牛舎や橋の下の空間のような、それぞれ大人になると見向きもしないような場所。

大人の目に触れないそれらは特別な場所でした

また、何に使うのか不明な錆びた金属部品やビー玉。

子供達には未知のお宝に見えて、それらを探す大冒険に毎日繰り出します。

大人に頼らず自分の足で新たな発見をすることで、分からないなりに自立した気になっていたのでしょうね

誰しもあるだろうこんな風な話を
少し思い出して想うmy way気付くはずだろう
無くしたもの今ありますか
かくした心はいつから
それなりに手に入れたのに
なぜだろうあの日々が少し懐かしくて

出典: 少年が故の情熱/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

そんな郷愁溢れる思い出と今を比較します。

無くしてしまった感情はあるだろうか

無くしていなくても、心の奥底に隠してしまっているのではないか

仕事をして、給料をもらって、それなりに遊び、食べ、寝る。

それなりにやりたいことは出来る現在。普通に生きている。

子供の頃に羨んだ何でもできる大人になったのに、今ではあの頃が羨ましい。

そんな感情が歌詞から浮かびます。

ここまで子供の頃に忘れてきた感情についてメインに歌い、ところどころで大人の自分と対比しています。

この対比はもっと大きく区分化して、場面を分けることも出来たと思います。

しかし交互に織り交ぜることで視点が動き、より感情の対比が際立っていますね

幼少期から今現在へと画面が移り変わる

大切なものを忘れた大人達

今じゃ毎日
日々に追われて
暇がないと
嘆いてるだけで
気付かなくなってきているだけ
何かを忘れていたんだね

出典: 少年が故の情熱/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

少し飛びますが、ここから今現在(大人)の場面がメインになります

仕事や生活に目まぐるしく日々が過ぎていく毎日。

「何かをするにも暇がない」と、人にも自分にも言い訳することがどうしても多くなってきますよね

同じことを繰り返していると、どうしても将来への期待や挑戦心を忘れていってしまいます。

結果、さも自分が元々夢も希望もない人間だったと思い込んでしまいます。

しかし私達は今も昔も私達自身であり、昔は確かに夢も希望も持っていました

ただただ思い出さないようにしているだけです。

忘れた感情を思い出そう。そう歌が語り掛けてきます。

どんな時も忘れちゃいけない
幼き日に感じた心
夢に溢れてた
少しの妥協と引き換えに
手に入れた大人への道進み
ただ今日からは違う自分で
幸せ見つけよう

出典: 少年が故の情熱/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

少しの我慢と諦めによって、私達は無事に大人になりました。

しかしまだ振り返れば、子供の頃に置いてきた感情を取り戻すことができます。

これからも今までと同じような日常が続いていきます。

あの頃の純粋な気持ちをもう一度取り戻してみよう

小さな驚きや幸せを楽しんで生きていこう。

そんなメッセージか込められているように感じます。

最後に現れる表題「少年が故の情熱」

「少年が故の情熱」
あの日々と今で僕になる
あぁいつまでも
あぁいつまでも
あの日々の想い忘れないで生きよう

出典: 少年が故の情熱/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

「少年が故の情熱」。

それは幼少期に探していた小さな驚きや発見、純粋で毎日が新しかったあの頃の情熱

大人になったことで忘れてしまった感情だったのですね

今を生きる日々は大変ですが、忙しさを嘆くだけでなく、小さな喜びを探してみよう。

いつまでもあの頃の想いを忘れずに生きていこう

最終的に伝えたい事はそういったことだったのだと想定できますね。

おわりに

【GReeeeN/少年が故の情熱】歌詞の意味を考察!あなたは煌めくあの頃の想いを忘れてはいないか?!の画像

歌詞の魅力はストレートさと統一感

ここまで「少年が故の情熱」の歌詞解説をしてきましたが、いかがでしたか?

歌詞の解釈は人それぞれです。

しかしGReeeeNの歌詞は、細かい対比描写や、考えさせつつも1つの答えに誘導される行間があります。

それにより聴き手の感情を整理し、ある種統一された情景を思い浮かべさせてくれます

例えばBUMP OF CHICKENの様に言葉が細胞の様に描写のパーツとなり、物語が紡がれるような歌詞。

ACIDMANの様に情景というよりは色彩が浮かんでくるような歌詞など、詞というものには様々な魅力があります。

(上記2つの解釈はあくまで筆者の見解です。)

GReeeeNの歌詞の魅力はストレートさと統一感なのではないでしょうか

浮かぶ情景は人それぞれであれ、物語の概形は統一されている。

それは作詞者の伝えたいことが狂いなく伝わるということ。

そして聴き手は他者との共感をロスなく行うことができます。

また、基本的に歌詞の中に絶望がありません

最終的にポジティブに帰結し、聴き手を応援してくれるような曲が多く感じます。

これは彼らが全員歯科医師で、困難な受験や国家試験などを乗り越えてきたことも起因しているのでしょうね。

そう考えると、受験期や試験期の自分自身を鼓舞するために歌っていたのかもしれません。

未だ若者を中心に人気GReeeeNですが、その秘密はそんな歌詞にあるのでしょうね。