「美しい星」劇中歌としての『金星』
この楽曲は劇中に登場するアーティストが歌唱・演奏する楽曲として使用されています。
演奏と歌を担当しているのは、若葉竜也氏(竹宮薫役)と樋井明日香氏(イズミ役)です。
同じく劇中に登場する橋本愛氏(大杉暁子役として)が、この曲と運命的出会いを果たします。
暁子が理屈抜きで、竹宮の弾き語る歌、竹宮自身にただただ引き寄せられていく、というストーリー展開です。
不思議な物語の展開の中で、この楽曲がちょうど良いスパイスになっています。
平沢進が創り出す、無限の可能性
還弦バージョン
この楽曲は、クラシックギターを爪はじき、ノスタルジック感漂う曲に仕上がっています。
この曲が始めて世に出たのは平沢進がソロ転向した際に発表した時のことでした。
その楽曲の平沢進自身がリアレンジしたアルバム「変弦自在」にて、新たな一面をみせてくれました。
果てしない広がりを見せる空間を彷彿とさせるような楽曲に仕上がっています。
リアレンジというのは、楽曲に新たないのちを吹き込んでくれるものなのではないでしょうか。
変弦自在、弦を変えて自在に音楽を操っているかのようです。
平沢進はまさに、日々進化しているアーティストだといえるでしょう。
YouTubeで平沢進誕生日記念動画まで!
YouTube動画の中に「【平沢進誕生日記念】けけ金星【どうぶつの森】」というものがあります。
これはファンが作成した「あつまれどうぶつの森」とのコラボ動画です。
犬のキャラクター「けけ」が「平沢進」になりきって『金星』を弾き語るという動画になっています。
視聴回数もかなり伸びており、注目度の高い動画です。
このコラボ動画、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
『金星』歌詞を徹底考察!
キミとボクをつなぐもの
朝が来る前に
消えた星までの地図を
キミへの歌に変え
地の果ての民に預けた
出典: 金星/作詞:平沢進 作曲:平沢進
「消えた星」とは「明けの明星=金星」を指します。
明けの明星と宵の明星」というのは、皆さんもよくご存知なのではないでしょうか。
ボクは『金星』=キミに思い焦がれているのでしょう。
なんとかしてキミへたどり着く「地図」を頼りにしたいと考えているようです。
しかし『金星』=キミを見られる時間は決まっています。
ボクは、星明かりの消えた暗闇の中で何を頼りにすればいいのだろうかと考えているのでしょう。
そこでボクは、それをキミへの歌として思いを乗せ、遠く先にいる存在へ預けることを思いついたのでした。
果てしなく続く
舟よ急げよ
西はまだ無窮のさなか
眠りから見晴らせば宇宙はキミを夢見て
出典: 金星/作詞:平沢進 作曲:平沢進
「無窮」とは果てしないこと、そのさまや、無限・永遠といった意味を持ちます。
宇宙に比べたら地球なんてとってもちっぽけです。
しかし、そのちっぽけな中にも世界は広がっているというのが揺るぎない事実です。
それでも、地上をゆくボクの進む先にはただ地平線が続き、果ては見えません。
舟を西へ西へと進ませるというのは、太陽を追いかけることになります。
「時間が進むのを少しでも遅らせることができる」といった思いからなのではないでしょうか。
また、「夢の中」では時間軸というものは存在しません。
夢の中では時間が止まっているように感じることもあるでしょう。
そして、自分の夢の中で人は何でもできます。
地球を離れて、宇宙から俯瞰することもできるでしょう。
その広大で果てのない宇宙に、手の届かないほど遠い存在のキミを重ねているのだと感じられます。