はじめに
アイデア満載の元気少女眉村ちあき。
ギター一本で、多彩な世界を作り出します。
彼女の歌を聴くと、みんな元気になります。
素直な気持ちが言葉になります。
そのあまりの率直さに、誰もがやられてしまうのです。
この歌に出てくるおじさんも、きっとそのひとり。
とてもあったかい気持ちになれる、素敵な歌を紹介します。
MVを見て
はじめて聞いた人なら驚くような、見かけから想像できないソウルフルな歌声。
かなり歌好きの人でもうならせるぐらい。
このインストアライブの動画では、アドリブの歌詞が入っています。
いわく、「一緒に日本酒を飲みたい」とか。
さあ、その深い歌詞の世界を見てゆきましょう。
歌詞を解説
九州に転勤!?
こないださ私の好きなおじさんがさ
九州に転勤するって言ってた
おじさんは私のことを
9歳児みたいってよくからかって
何があっても抱きしめてくれた
出典: おじさん/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
仲良しだったおじさんが、九州に急に転勤しちゃうことが決まったのです。
さあなんて言ったらいいか、彼女は考えます。
あったかいおじさんで、感情表現はオーバー。
9歳と言われるのは心外でも、とても可愛がってくれていた。
抱きしめてくれる人なんて、一定の歳になるとそういない。
それに、こちらが落ち込んだ時でも、相談に乗ってくれていたのです。
それでこの関係を大事にしたいと考えていたのです。
九州に行ってしまうともう簡単には会えません。
こういう年上の異性の人との親しい関係は、成長中の人にとり大切です。
いろんなことを教えてくれる人生の教師でもあるからです。
この出だしの部分は、そういう人物像を描いてくれています。
すこし悲しい
ねえどうして そんなに転勤が楽しみなの?
私ともう会えなくなってもいいの?
頑張れとしか言えないよ
出典: おじさん/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
私の内心は少し悲しい。
そうそう良い出会いは無いからです。
自分はもう会えなくなりそうで辛い。
なのに相手は嬉しそうにこのことを自分に話すのが、ちょっと意外です。
相手の心はもう向こうにあるみたいでこっちは寂しい。
もっと自分という存在を、大切なひとと思ってもらえていると信じていた。
演技でもいいから、おじさんにも少し悲しそうにしてもらいたいのです。
だからなんと反応していいかわからないのです。
励ましの言葉なんてありきたりで、つまらないと思えます。
はっきり、本音を言いたいのです。
行かないでって。
小さな駆け引き
好きと言ったら 何か変わったのかな?
どっちにしろさ 私のこと見えてないんでしょう
好きと言っても所詮私9歳でしょ
女の子として一度でも見えたことありますように
出典: おじさん/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
好きと言いたいけれど、言えないジレンマがあります。
好きと言っても何も変えられないことがわかるから。
ホントは悲しいし、泣きたいくらいだけど、それは見せない。
相手は自分のことを、ほんの子供みたいな存在としか感じてないと自信喪失。
しかし本当の心の奥は、おじさんも多分すこし私が好きかもと感じています。
それで、明るさをキープし、表面上は突っ張って見せます。
なぜならおじさんを困らせたくないから。
相手は人生の先輩、この程度の別れなんて、いくつも経験済み。
それに大人だから、顔はにっこりポーカーフェイス。
渋い大人に子供と思われないように、ここはちょっと背伸びしないと仕方ない。
そんな駆け引きがあった訳なのです。
別れとなると、何も言えない未熟な自分が恨めしい、そんな心境です。