新橋のバーで出会った三十路の女の方と
おじさんは仲良くしてるみたい
バツイチ子供なし結婚はあと1回かな、
なんて大人の会話入っていけないよ

出典: おじさん/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき

私は大人に早くなりたいのです。

歌い手はちょうど、そういう年頃なのです。

おじさんと話すのがいつもすごく楽しいのは、それもひとつの理由です。

知りたくても知れない大人の世界をチラ見させてくれる人

だから新橋の30代の女性の方には嫉妬をしているのです。

新橋という、自分には足を踏み入れられない土地の名自体にドキリとする。

それにバツイチと聞いても、マイナスなイメージよりも、大人を感じる年代です。

すこしおじさんとの間に、越えられない壁を感じている私でもあります。

本音をぶちまけて

ときめくこともないし
おじさんは私の巨大なぬいぐるみ
バラードを感情込めて弾き語る
自分は好きじゃないのにさ

出典: おじさん/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき

おじさんは私にとって、大きなぬいぐるみだと言います。

これはどういう意味でしょう?

胸がドキドキするようなことはないと断言。

つまりこれは、恋ではない?

でも少し、恋に似た甘酸っぱいものが混ざっていそうです。

でなければ、こんな気持ちにならない。

ハグされることから生まれる、親子とも似た、微妙な関係です。

(ホントは自分のほうがぬいぐるみ!?)

私もおじさんをハグしてあげたいと思っているのです。

娘と父親の間でも、年下のほうが年上を想いやり、気遣うことがある。

それと似ています。

こんなふたりだから別れたくないのです。

バラード悲しさをにじませるような、マジな歌い方は得意じゃない彼女です。

しかしここはじんわりほんのり、せつない感情が紛れ込む。

かわいいおじさん

眉村ちあき【おじさん】好きなのにどうして「帰ってくるな」?複雑な心情を紐解くの画像

帰ってきたら 抱きしめる腕振りほどいて
大人になったと 見せつけてあげるから
帰ってくるな これで私楽になった
知らなくていい 感情知らせてこないで

出典: おじさん/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき

彼女の妄想です。

おじさんが久しぶりに戻ってきたら、子供じゃないとハグを拒否。

大人びた自分を堂々と見せつけて、今日の淋しさのリベンジをする!

そんなことを思うほど、なんかウェットな心理状態なのです。

そこで一転、帰ってこなくていいよとあきらめの境地を宣言してしまいます!

いつもの自分、平常心の自分に戻りたいがゆえの思い切った行動です。

もうあきらめたと自分に言い聞かせようとするのです。

おじさんの消息も、ホントの気持ちも、知らないほうがいいと思おうとします。

いっそのこと、知らないままであっさりさよならしようとします。

最後のあいさつ

幸せにしたい と想える人と出会ったら
おじさんのこと 思い出してあげるね
誠に心より御礼申し上げます

出典: おじさん/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき

最後ぐらいはきっちり決めたいのです。

だらしない別れにも、湿っぽい別れにもしたくない。

これは彼女の、そういう性格なのでしょう。

やや大人びて、丁寧にかしこまる。

眉村ちあきはケジメをつける人なのです。

おじさんのことは、「幸福にしたい人」というタグで記憶しようと思います。

そんな気を起こさせる人をこれから見るたび、思い出そう。

思い出すことで、おじさんを私の心の中で居つづけさせよう

おじさんが居なくなるのは淋しい。

心の中で、居てもらいたい。

本当は、私の心の中に居てもらいたい。

そんな少女のやさしさなのです。

そうして最後に、大人のあいさつをしておしまいにします。

同じアルバムから

眉村ちあき【おじさん】好きなのにどうして「帰ってくるな」?複雑な心情を紐解くの画像

ヘチマで体洗ってる

こんな変なタイトルの歌。

いかにも眉村さんらしい。

そう思って歌詞を開いてみる。

ただ単に、ヘチマで体を洗う話。

好きなあのひとがヘチマで体を洗っている話だ。

それにしても、なんでヘチマなんだろう?

この「ヘチマ」というリアルな肌触りが、眉村ちあきらしさかも。

ちょっとゴツゴツした雰囲気が、印象に残ります。

大丈夫

ベスト3に入るほど、とても人気のある歌です。

歌詞は短いし、単純な内容なのに人気があります。

やはり大切なファンに直接語りかける、その内容が素晴らしいから。

ネットで応援してくれるみんなに、大丈夫。

その声を聞かせてくれれば私は大丈夫と伝えます。

歌手の活動も本当にネットが中心の時代なのだなと納得。

ファンに最大限の感謝を素直に伝える、とても心に響く歌です。

最後に