野良と飼い猫の「ニャン生」
この曲の物語は、猫の目線で進んでいきます。
自由気ままそうに見える猫は、世界をどんな風に捉えているのでしょうか?
また、この曲のポイントが、猫の2つの生き方が描かれていること。
1番は、野良としての「ニャン生」を謳歌するオス猫の視点。
男の子だけど可愛さも残る、鏡音レン君が歌うパートです。
そして2番は、飼い猫として生きる白毛の猫さんの視点。
優雅な暮らしを送る彼女のパートは、GUMIちゃんが歌います。
後半、2人の掛け合いも曲の魅力の1つです。
野良猫――自由な1日
可愛い白猫に恋心
これは可愛いお嬢さん
真っ白な毛がとても素敵ね
こんな月が綺麗な夜は
僕と一緒に遊びませんか
出典: 嗚呼、素晴らしきニャン生/作詞:Nem 作曲:Nem
野良猫は誰かに縛られることなく、どこへでも行くことができます。
この日は月夜の散歩を楽しんでいたのでしょうか?
1番の主人公、野良猫は、白毛の猫を見つけます。
この時点ですでに、この白猫に恋をしている様子です。
「月が綺麗」というフレーズからそれを読み取ることができます。
これは、かの夏目漱石が"I love you."の翻訳として提示した有名な言葉。
白猫に対して、遠回しに「好きです」と伝えているのです。
もちろん、曲中の時間帯が実際に夜だという意味もあるでしょう。
可愛らしい女性(白猫)に声をかけ、一緒に出かけようと誘います。
猫式のナンパでしょうか。
遠慮は無用!
ニャン生は一度きり
楽しむが勝ちなのです
あなたを縛る首輪は
噛み千切ってあげましょう
出典: 嗚呼、素晴らしきニャン生/作詞:Nem 作曲:Nem
野良猫は、さらにたたみかけます。
この言葉に、野良猫の哲学が見てとれますね。
野良猫は自由に価値を見出しているようです。
そこから「とにかく楽しいことを」と求めているのでしょう。
また、野良は誰にも飼われていないことこそ自由の象徴。
その視点に立つと、首輪は邪魔なものの代表になりえます。
野良猫は大好きな白猫を、自由にしてあげたいと思っているのです。
野良猫の1日
野良は最高ニャンニャンニャン♪
魚くすねて、ハト追いかけて
昼間は働く人間を
尻目に屋根の上で夢うつつ
出典: 嗚呼、素晴らしきニャン生/作詞:Nem 作曲:Nem
気ままな野良猫の1日が描写されているパートです。
リズミカルなサビが耳に残ります。
人間の都合に左右されることなく、空腹になったらごはんを食べる。
眠くなったらお昼寝。
また、ここで人間と猫の対比もなされています。
人間はあくせく働かなければなりませんが、猫は気ままに過ごせるのです。
あなたも自由にニャンニャンニャン♪
素敵な仲間も紹介しましょう
さあ、その窓を開いて
飛び出すのです!
出典: 嗚呼、素晴らしきニャン生/作詞:Nem 作曲:Nem
野良猫は他の野良と出会う機会も多いのでしょう。
近所を縄張りにする仲間がいる様子です。
野良猫にとって楽しいことをとにかく挙げて、白猫の気を引こうとしています。
ここで「さあ」と呼びかけて、押しの一手です。
野良猫の呼びかけは報われるのでしょうか?