誰もが知るアニソンの定番!
「ムーンライト伝説」が発表されたのは1992年。
誰もが知るテレビアニメ「美少女戦士セーラームーン」のOP曲として人気を評します。
それから長い年月が経っても、変わらずに愛されてきました。
その証拠に、多くのアーティストがこの曲をカバーしてきました。
2010年代もLiSAやももいろクローバーZといったアーティストにカバーされています。
この曲を歌っているのはDALIというアイドルユニット。
現在は解散していますが、本当にアニソンのお手本のような歌い方をしています。
今日はそんなアニソンの定番ともいえるこの曲の歌詞を徹底解説していきます。
セーラームーンを見ていた人も、見ていなかった人も必見です!
切ない口調で描かれる乙女の気持ち
素直になれないのはどうして?
ごめんね 素直じゃなくて
夢の中なら云える
出典: ムーンライト伝説/作詞:小田佳奈子 作曲:小諸鉄矢
この曲の魅力はその始まりにあると言えるでしょう。
なんと「ごめん」という謝罪から始まるのです。
どうして謝るの?
そう思うと、「素直になれなくて」という返事が返ってくる。
上でアニソンの定番曲と書きましたが、イントロのサウンドも王道アニソンという感じです。
なんだかマイナー調で切ない感じが癖になるイントロ。
その後の「ごめん」なので、とても引き込まれてしまうわけです。
さて、では本題です。
なぜこの主人公の乙女は素直になれないのでしょう。
それは、ずばり「乙女心」のせいだと言えるでしょう。
大人になってくると男女ともに本当のことが言えない、ということが増えてきます。
若い乙女なら尚更です。
女性が好きで、アプローチをしていても男が気が付かず女性が怒ってしまうことがありますね。
乙女心は難しいのです。
この曲は、そんな乙女が心に秘めた恋心を歌っています。
終始、好きな人のいいところが描かれているんです。
でも、好きな人本人には言えない。
言えないけれど、こういうふうに思っているのよ。
この曲はそんな難しい、けれど甘酸っぱい恋心がギュッと詰まった一曲なのです。
ですから、最初に謝罪から入ったわけですね。
胸がはちきれそう
思考回路はショート寸前
今すぐ会いたいよ
出典: ムーンライト伝説/作詞:小田佳奈子 作曲:小諸鉄矢
この部分でいわれているように、主人公は頭を抱えているようです。
それは、好きな人と意思疎通ができないからでしょう。
素直になれないから想いが伝わっていないのです。
そんな主人公の心情を巧みに表現していると思います。
ショートは電圧が過剰にかかって電線が燃えたりする現象のことですね。
好きで好きでたまらないということでしょう。
病んでいく乙女
どうして何もできない?
泣きたくなるようなmoonlight
電話もできないmidnight
出典: ムーンライト伝説/作詞:小田佳奈子 作曲:小諸鉄矢
ここから名歌詞のオンパレードです。
とっても心に残る巧みな表現を見ていきましょう。
まずはこの部分、この韻の踏み方が巧みです。
どうして主人公は泣いちゃって何もできないんでしょうか。
それはずばり恋しているからですね。
本当に恋をしていたら、電話さえできないんです。
歌詞に登場する英語はそれぞれ「月の光」、「真夜中」という意味ですね。
スペルと聴こえ方で韻を踏んでいます。
月の光を見て、普通は綺麗だと思うもの。
しかし恋する乙女は違うんです。
こんな綺麗な月を綺麗な人と見れないなんて、と病んでしまうのです。
そして真夜中、その人のことで頭がいっぱいで眠れない。
何かしないと気が済まない。
電話をかけてみよう、そう思っても手が止まるわけですね。
嫌がられたらどうしよう、云々。
真夜中に電話しようと思うということは、主人公とその好きな人の関係性もわかります。
きっといい感じなのでしょう。
君は僕をどう思ってるの、あなたは私をどう思ってるの、みたいな。
なんとも甘酸っぱい距離感です。
私の心が壊れていく
だって純情どうしよう
ハートは万華鏡
出典: ムーンライト伝説/作詞:小田佳奈子 作曲:小諸鉄矢
「純情」だった乙女の心が壊れていってしまう。
それは紛れもなく好きな人のせいです。
あなたのことを偲んで、夜も眠れない。
そんな主人公の気持ちを巧みに比喩した表現です。
万華鏡は複雑な模様を描き、常に我々に違った模様を見せます。
複雑でキラキラしていて美しい。
しかし、どこか不安な輝きがある。
乙女の心はまさにそうだといえるのではないでしょうか。