back number「恋」
2012年リリースの4thシングル
「恋」は2012年にリリースされたback numberの4thシングルのリード曲です。
そのタイトル通り、ストレートでシンプルなラブソングに仕上がっています。
back numberの特徴といえば、作詞作曲を務める清水依与吏さんの描く繊細な世界観です。
飾らない言葉で綴られるリアルな歌詞や、どこか懐かしくて優しいメロディがその魅力として知られています。
そんな世界観を形にする落ち着いたバンドアンサンブルも個性のひとつですね。
ストレートなラブソング
「恋」は、青春の情景が浮かんでくるようなノスタルジックな曲です。
恋心を秘めたまま想いを伝えることができない少年の心が、ひとつの物語となって歌われています。
見ている側からすればじれったく、そのもどかしさがリアリティを生み出しています。
勇気を出せない平凡な人が主役だからこそ、共感して感情移入できる世界観です。
「恋」の切ないPVにも注目
「恋」のPVは、どこか懐かしくて切ない感情を掻き立てる内容です。
好きな子を目で追ってしまうその視線を描いたような映像は、ついつい見てしまうのに近づくことも声をかけることもできないもどかしさや、じれったい気持ちを沸き起こしてきます。
手の届かない憧れの対象であることで、相手の女の子がより綺麗で輝いているものに見えますね。
「恋」の歌詞を紐解く
学校の中にある片想いの風景
ぼんやりと君を眺めていたんだ
校舎の窓から
やっぱりかわいいなって
友達と笑い合う君の姿に
見とれる事ももう
できなくなっちゃうな
出典: 恋/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
「恋」の歌詞は、学校の中のひとつの風景から始まります。
遠くにいる好きな子をつい眺めてしまう。そんなもどかしくて甘酸っぱい様子が描かれていますね。
「できなくなっちゃうな」という言葉から、もうすぐ好きな子とは会えなくなってしまうことが示唆されています。
このシングルがリリースされたのは3月の前半です。
卒業シーズンに発売されたこの曲の歌詞は、別れのときを間近に控えた学校の様子を歌っているのではないでしょうか。
気持ちだけを秘めたまま、もうすぐ会えなくなってしまう。
そう考えると、聴いている側は余計もどかしい気持ちになってしまいます。
自慢できるようなものはないけど
それでもいつでも君を探している
出典: 恋/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
片想いの相手を遠くから見ていることしかできないこの少年は、きっと学校で目立つ存在・派手な存在ではないのでしょう。
どちらかというと平凡な男子なのではないでしょうか。
自分は特別でも優秀でもない。そう感じていると、たとえ好きな人ができても「どうせ自分なんて」と諦めてしまいがちです。
そんな諦めを抱きながらも、相手を想うこともその姿を目で追うこともやめられない。
こんな悩みを実際に経験したことがある人も多いのではないでしょうか。
「君」に伝えたい気持ちを抱えて
きっと
誰より君を想ってるのは
今日も明日も僕だから
ずっと
好きだって事を言わないと
会えなくなる前に(はやくしないと)
言えなくなる前に
その手を
出典: 恋/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
たとえ自分を平凡だと思っていても、それで相手のことを想う気持ちが変わるわけではありません。
むしろ、「君」を想う気持ちは誰にも負けない、という強い意志も見えます。ひた向きな恋の信念がそこにはあります。
「言わないと」という言葉に表れているように、その想いを伝えようという気もあるようです。
それでも一歩を踏み出せない。早く、早くと焦りながらも気持ちを伝える勇気が出ない。そんな焦燥感が溢れるサビです。