人間観察から生まれた自問自答

【BUMP OF CHICKEN/ベンチとコーヒー】歌詞の意味を解説!メンバーへのプレゼント曲!?の画像

本当に唄いたいこととは

俺は唄っているんだろう?
誰に唄っているんだろう?
俺は解っているんだろう?
何を解っていたんだろう?

出典: ベンチとコーヒー/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

街をゆく様々な人に自分を重ねる「俺」。

様々な人生の一コマを、一歩下がったところから眺めながら、自然と自分の人生を振り返ります。

がむしゃらに唄ってきた「俺」。それは誰の為なのだろう?

何かを解ったつもりでいたけれど、何を解っているんだろう?

自問自答を繰り返しながら、「俺」は人波を見つめています。

子供の唐突な告白に胸打たれる夕べ

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家路を辿るランドセル 並んだ赤黒二人分
「君が好きだよ」と容易く 目の前で言ってのけた

それは自分に 無いモノで 羨ましくて まいるなぁ

格好つけて 強がって 大人気取りの俺です
スナオな気持ち 言えないままで 笑ってみたりします

出典: ベンチとコーヒー/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

時は流れて、小学生が下校の時刻を迎える夕方になりました。

ランドセルを並べて歩く、男の子と女の子。

「好きだよ」とさりげなく言ってのけるその姿に無性に胸打たれた「俺」。

大人になると、格好つけて色々考えすぎて、「スナオな気持ち」を伝えることが難しくなってしまいます。

人目も気にせず、「君が好きだ」と伝えるそのまっすぐな心。

いつのまにか自分が忘れていたか感覚が、羨ましくなりました。

家路につく1日の終わり

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一人で過ごした1日の終わりに浮かぶメンバーの顔

青いベンチのまわりに 鳩が集まってきました
あいにくエサは持ってないよ
君らの役には立たないよ

いい加減 家に帰るかな
冷たいコーヒー飲んだから
コーヒー好きな オマエのさ 馴染んだ顔が浮かんだよ

出典: ベンチとコーヒー/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

日が昇る前から座っていた青いベンチ。

エサを求めてまわりに鳩が集まってきました。

その鳩たちを眺めながら、そろそろ家に帰ろうかな、と思い立つ「俺」。

朝温かかったコーヒーは1日が過ぎ「冷たいコーヒー」になりました。

時間の流れがコーヒーの温度の変化で表現されています。

「コーヒー好きなオマエ」とはもちろん、ベースの直井由文です。

「オマエ」とカタカナで表現された、「馴染みの顔」。

BUMP OF CHICKENメンバーは全員、幼馴染です。

共に人生を懸けて音楽を創ってきた、藤原基央の直井由文に対する思いは計り知れません。

コーヒー好きな幼馴染・友人であり、バンドメンバーでもある直井。

苦楽を共にし、その間に目にした数え切れないコーヒーを飲む姿。

直井の誕生日に寄せる溢れる思いがさりげない歌詞に表れています。

理解してくれる友への感謝

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格好つけて強がっている「俺」を迎えてくれる仲間がいること

こんな一日の話を 笑ってくれるんだろうなぁ
こんな一日の思いは お見通しなんだろうなぁ

「格好つけて強がって」繰り返してる俺です
覗いてみれば 全然ダメで ホントに まいるなぁ

出典: ベンチとコーヒー/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

さりげない1日を飾らない表現で綴った「ベンチとコーヒー」の歌詞

次に直井に会った時「この間の休み、ベンチに座って1日人間観察してたんだ。そしたらこんな人がいてさあ…」。

こんな話を、直井は「くだらない」と言って無下にするのではなく、笑いながらちゃんと聞いてくれるのだろう。

そして、その時々で自分がどんな事を思ったのか、言わなくても「お見通し」なんだろう。

藤原基央の直井由文に対する強い信頼と友情が感じられます。

この会話を微笑みながら交わす二人の光景が目に浮かび、とても穏やかな空気を感じることができます。

藤原基央が、直井の誕生日に伝えたかったのは、直井への揺るぎない信頼、友情、愛情といったものであったのでしょう。

安心感に満ちたありふれた日常