タイトルの意味
ハングルと英語のタイトル
「LOVE SCENARIO」。
翻訳すると”恋のシナリオ”ですね。
しかし、原曲のタイトルは”サランウル ヘッタ”となっています。
日本語では”恋をした”です。
微妙に英語とハングルでニュアンスが違います。
しかし、歌詞にも”LOVE SCENARIO”という文言があります。
それほど気にする必要はないでしょう。
理由としてはK-POPはインターネット戦略で動いているからです。
ハングルを読めるユーザーより英語を介するユーザーの方が多いわけです。
日本人も義務教育で英語を習います。
ヨーロッパも英語と同じラテン語がベースの言語が多数あります。
これらの理由からハングルよりも英語を中心に動画をアップ。
そうすることでより多くのユーザーに歌を広めることができるのです。
聴き慣れたイントロ
印象的な出だし
사랑을 했다 우리가 만나(サランウル ヘッタ ウリガ マンナ)
지우지 못할 추억이 됐다(チウジ モッタル チュオギ テダ)
出典: LOVE SCENARIO/作詞:B.I、BOBBY、MOT MAL、ZERO 作曲:B.I、MILLENNIUM、SEUNG
サビをイントロに持ってきた形式です。
TikTokをやっている高校生などは聞いたこともあるでしょう。
原曲のタイトル”サランウル ヘッタ”はイントロで流れます。
”ヘッタ”は”する”という意味の”ハダ”の過去形。
恋がすでに終わっていることをいきなりイントロで告げています。
きっと別れたばかりの心境を歌ったのでしょう。
意外と一か月後に復縁していたりするのも韓国の恋愛ですが…。
出会いが強烈なら、別れも強烈なのが韓国風です。
この「LOVE SCENARIO」は失恋後が主なテーマ。
彼女との思い出を過去形で語っています。
どんな恋愛だったのかを振り返る形式で綴られた一曲。
すでに追想というスタイルで歌詞が進行していのも洒落ていますね。
そのせいか歌詞全体に悲しい雰囲気が漂っています。
曲調や歌声から哀愁を感じるのはそういった背景が歌われているからなのです。
二行目の歌詞解釈
次に”チウジ モッタル”は”消せない”という意味。
”~ジ”は後に文が続くときに使います。
原形は”チウダ”です。
”モッタル”は”~できない”となります。
しかし、ここに”~する”という意味の”ハダ”が隠れています。
厳密には”モッ”だけが否定を意味します。
この”モッ”と”ハダ”が組み合わさるとパッチムの出番です。
フランス語でいうリエゾンです。
モッハダだと言いにくくありませんか?
そこでより自然な”モッタダ”に変わります。
難しいですね。
”モッタダ”の”ダ”は後に文が続く場合、”ル”に変化します。
全体の意味
イントロ部分の和訳は
「恋をした私たちが出会い、消せない思い出となった」
となります。
あったことをなかったことにするのは大変です。
二人の恋愛の記憶は頭に残っているのですから。
でも、なかったことをあるように装うのは簡単です。
嘘なので、いくらでも想像で語ることができます。
やたらとおしゃべりな人に会ったら、嘘の可能性が高いです。
気を付けましょう。
親しい恋人に向けた歌
タメ口がポイント
마지막 페이지를 넘기면(マジマ ペイジルル ノムギミョン)
조용히 막을 내리죠(チョヨヒ マグル ネリジョ)
出典: LOVE SCENARIO/作詞:B.I、BOBBY、MOT MAL、ZERO 作曲:B.I、MILLENNIUM、SEUNG
韓国は日本以上に目上や年上に対する話し言葉に厳格です。
年上は年齢が自分より上の場合、目上は身分の上で自分より位が高い場合です。
つまり、年下でも相手が上司や大統領だったら、敬語になります。
しかし、「LOVE SCENARIO」は常にタメ口。
これは恋人同士でも熟したカップルであることを表しています。
それが分かるのが”ネリジョ”の部分。
ネリジョの原形は”ネリダ”となります。
意味は”降りる、下りる、下がる、下る、(雪や雨が)降る”などです。
”ピガ ネリダ”で”雨が降る”です。
敬語だと”ネリッスムニダ”となりますが、歌詞では”ネリジョ”。
”ピガ ネリジョ”は”雨が降ってさあ”ぐらいの柔らかい表現です。
決して、留学先の先生や初対面の人には使わないようにしましょう。
反対に相思相愛の間柄ということを暗喩しています。
韓国人カップルでも敬語かタメ口(パンマル)かで愛の深さが違います。