そんな風に立ち止まることは怖いことで、人間は前に進んでいる実感がないと不安になる生き物です。
しかし、立ち止まったからこそ泣いた後にはその場所に水たまりができます。
これは進んでいたら、涙が落ちる位置が変わるのでできないものです。
そうやって水たまりができたことで、そこには自分自身が映し出されます。
つまり「無数の煌き」「懐かしい声」は映し出された過去の自分自身を表し、今は立ち止まっていても、ここまでちゃんと進んできたんだということを伝えてくれているのです。
心が宝石を生む度に 高く浮かべて名前付けた
忘れられてもずっと光る 星空は君が作ったもの
体は必死で支えている どこであろうとただついていく
強くなくたって笑いたい 涙を拭った勇気の手
出典: GO/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
その気付きの一つ一つがかけがえのない宝物になります。そうやって今の自分を作ってきたものはたしかに過去の自分であり、積み上げてきたものや作り上げてきたものはちゃんと残るものなのです。
このように心を強く持っていれば、身体はおのずとついてきて、また新たな一歩を踏み出すことができます。
そのためには泣き続けていたらダメなのです。勇気を持って笑顔で進んでいこうという強い決意が表現されています。
皆が走って先急ぐ サーカスが来たってはしゃいでいる
なんとなく僕も走りたい チケットも持っていないのに
叱られるって思い込む 何か願った それだけで
ぶつかってばかり傷だらけ だけど走った地球の上
出典: GO/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
ここではBUMP OF CHICKEN自身が続けてきたことが表現されているように感じます。
わくわくするもの、楽しそうなものにみんな寄り付くのは当然のことで、みんなと同じように「音楽」というわくわくに引き寄せられて、ずっと進んできました。
しかし、それはいばらの道でやりたいことをやりたいようにできるわけではありません。
そんな葛藤の中でも進んできたことが想像できます。
どうしたくてこうしたのか 理由を探すくせがある
人に説明出来るような 言葉に直ってたまるかよ
出典: GO/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
長く続ければ続けるほど、そこに意味を見出ださなければいけないような気持ちになったり、何で続けているのか分からなくなることもあるでしょう。
しかし、始まりは「わくわく」であり、その言葉にできない初期衝動こそ大切にしていくべき気持ちなのです。
とても素晴らしい日になるよ 怖がりながらも選んだ未来
君の行きたい場所を目指す 太陽は今日のためにあった
体は本気で応えている 擦りむく程度はもう慣れっこ
喜んでいいものなのかな 一生今日が続いて欲しい
出典: GO/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
うまくいくかどうかなんて誰にも分かりません。選んだ未来が間違いじゃなかったかどうかはきっと死ぬ時にならないと分からないのではないでしょうか。
しかし、目指す場所、描く未来に向かって何をしていくのかという過程が大切です。それは1日1日の積み重ねで最高だと思える今日を繋いでいくことなのです。
誰かが誰かを呼んだ声 知らない同士 人の群れ
辺りは期待で溢れた 僕だって急いで走った
何かが変わったわけじゃない 何かが解ったわけじゃない
ゴールに僕の椅子はない それでも急いで走った
思いをひとりにしないように
出典: GO/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
長い間続けてきた音楽活動の中で、たくさんの期待や色んな意見を耳にすることが多かったのではないでしょうか。
続ければ続けるほど、新しい何かに挑戦すればするほど、最初の音楽性と「変わってしまった」と言われることはミュージシャンなら誰しも経験することなのかもしれません。
しかし、本人たちの中にはたしかに変わらない想いは息づいています。
何かが変わったわけじゃない 何かが解ったわけじゃない
でこぼこ丸い地球の上
誰かが誰かを呼んだ声 知らない同士 人の群れ
でこぼこ丸い地球の上
出典: GO/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
自分の中で変わらないものを確かめるように、そして、聴こえてくる周りの声を振り払うかのように歌詞を繰り返し、それでも困難な道をこれからも進んでいくんだという決意の締めくくりになっています。
そんな決意が「GO」というタイトルに表れているのではないでしょうか。
スタジアムツアー情報
そして、BUMP OF CHICKENはアルバムの発売後、「BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 "BFLY"」と銘打ってアルバムの曲を中心に構成したライブツアーを敢行しました。
ツアー日程は以下のリンクを参照してください。
BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 “BFLY” 特設サイト 開設
BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 “BFLY”
また最後の2デイズの日産スタジアムでのライブの模様は映像化されました。
その中でも「GO」はライブミュージックビデオとしてYouTubeに公開され、通常のミュージックビデオとは一味違った演奏シーンの楽しめる映像を提供しています。